2018.10.30
資産運用

日本人の平均的な生涯所得、生涯支出と資産運用が重要な理由

(写真=NATNN/Shutterstock.com)
(写真=NATNN/Shutterstock.com)
ロンドン大学のリンダ・グラットン教授による、人生100年時代の生き方を指南する「ライフシフト」が大きな話題を呼んだのは記憶に新しいかもしれません。今までの20歳代前半までの教育期間、その後の20中盤~60歳までの働く期間、そしてその後年金で生活していく老後期間というはっきり区分された考え方は終焉を迎えました。

生涯寿命を100歳と仮定した場合、いつのタイミングでも必要に応じて教育を受けたり、長期休暇をとったり、または60歳を過ぎて学び直したりすることが普通になる時代になるということを予測しています。その一方で、皆さんが一番不安に思うのは、「その人生100歳に向けての資金をどう確保したらよいのか」ではないでしょうか。今回は、生涯賃金と生涯支出は「どれくらいになるのか」「その差はどの程度になるのか」について解説します。

生涯で稼ぐ所得はどのくらい?

独立行政法人労働政策研究・研修機構が2017年に発表したユースフル労働統計によると、2015年の大卒・大学院卒の生涯賃金は男性で2億7,000万円、女性で2億1,670万円とあります。

【生涯賃金】
●大卒・大学院卒
・男性:2億7,000万円
・女性:2億1,670万円

さらに、男性について退職金と雇用延長による収入を含めると、同年の男性の生涯賃金は平均で3億2,640万円です。

【生涯賃金】
●大卒・大学院卒
・男性:3億2,640万円
退職金/雇用延長による収入を見込んだケース

これは大卒、大学院卒の一例であり、実際の生涯年収は学歴・雇用形態・性別・企業規模・勤続年数によって大きく異なります。

さらに、公的年金を考慮することも必要です。現在の制度ですと皆さんご存じの通り、原則として65歳から老齢基礎年金が受給できます。また、厚生年金に加入している人の場合は老齢厚生年金も受給可能です。仮に23~60歳まで働いた場合、年額約138万円となります。

また、配偶者が23歳から7年間勤めた後に退職し、60歳まで会社員の配偶者となった場合(いわゆる第3号被保険者となった場合)、年額約80万円となります。それを65歳から20年間もらえると仮定すると、トータルで約4,360万円となります。厚生労働省のモデル年金でも月額21~22万円となるので、実態とかなり近いでしょう。

このケースですと、生涯賃金と公的年金を合わせた生涯収入は約3億7,000万円となります。(奥様が30歳以降働かない場合)

【生涯賃金】
●大卒・大学院卒
・男性:3億7,000万円
退職金/雇用延長による収入を込み
65歳から老齢基礎年金、老齢厚生年金を受給(23歳~60歳まで働く)
配偶者が23歳から7年間勤めた後に退職し60歳まで会社員の配偶者となったケース

生涯で使う支出はどのくらい?

一方、一生のうち消費する金額である生涯支出はどうでしょうか?総務省の家計調査によると、2016年における2人以上の勤労世帯の消費支出は月平均30万9,591円です。1年にして約371万円、所得税や社会保障費を含めると約490万円の支出をしています。仮に就職してから60歳まで38年勤務した場合の支出は、単純計算で約1億9,000万円です。

また、総務省統計局によると60歳以降の夫婦2人の生活費は月額約22万円(住宅費は含まず)、そうすると85歳までの25年間で約6,600万円となります。

ところで皆さんは、人生の「三大資金」という言葉をご存じでしょうか?それは、教育資金、住宅資金、老後資金の3つです。まず、住宅費ですが、総務省統計局によると2016年度の土地家屋借金返済(住宅ローン)の平均返済月額は9万2,945円です。35年返済なら単純計算で約3,900万円ということになります。

教育費に関していえば、2017年に日本政策金融公庫が発表した「教育費負担の実態調査結果」によると、2016年度の高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用は子どもひとり当たり975万円です。私立や理系、医歯学部だとさらに高くなります。その他、自動車を持つ場合は、買い替え費用と保険、車検などの維持費の合計が生涯で1,500万円(日本自動車工業会)、結婚式や新婚旅行などの結婚費用が約500万円、テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの耐久消費財の買い替えが200万円です。

以上を踏まえますと、生涯支出合計は、約3億2,700万円となります。また、子どもが1人増えるごとに約1,000万円、さらに生命保険に加入している場合、平均約1,000万円、これを考えると、大体生涯収支はトントンということです。しかし、住宅費が首都圏では格段に上がりますし、生活費ももう少し上がるでしょう。すると、生涯収入から生涯支出を引いた金額は、マイナスになる可能性もおおいにあり得ます。

【生涯支出】
・23歳~60歳/2人以上の勤労世帯の消費支出:1億9,000万円
・60歳~85歳/夫婦2人の消費支出:6,600万円
・居住費:3,900万円
・教育費:975万円
・自動車関連費:1,500万円
・結婚費用:500万円
・耐久消費財費:200万円
合計:3億2,675万円

差分を埋めるには資産運用の選択肢を

この差を埋めるには、どうしたらよいでしょうか。節約することも重要ですが限度がありますので「お金に働いてもらう資産運用」といった発想を持ちましょう。
香港人の平均年収は日本人の約半分です。しかし60歳になった時点で6人に1人が1億円以上の資産を持っているといわれています。それに引き替え、60歳時点で1億円以上の資産を保有している日本人は10人に1人しかいません。香港人の年収は日本人の年収の半分なのに、日本人の4倍のスピードで資産を増やしていることになります。かつてイギリスの植民地だった香港は資産に対する考え方が欧米に近く、運用することが当たり前です。自ら情報を取得し、なるべく早く行動することで資産形成のスタートを早めることが大切です。いつかは……といった漠然とした目標ではなく、情報収集だけでも「今すぐ」はじめてみることをおすすめします。

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