気になる人も多い「年金」ですが、日本の年金制度はどのようにして誕生したのでしょうか。2019年6月には「老後資金が2,000万円不足する」という問題が露呈され、改めて年金について考えるべき時代になっています。老後を安心して暮らすために年金の不足分を補う方法として注目されているのがマンション投資です。本記事では年金制度の現状とマンション投資の有効性を探ります。
年金制度はどのようにしてできたのか
日本の年金制度は戦前の1942(昭和17)年に「労働者年金保険法」が発足したのが始まりです。工場などで働く男性労働者を被保険者とする労働者年金保険制度は、1944(昭和19)年に「厚生年金保険法」へ改称されました。被保険者の対象をホワイトカラー労働者や女性にも拡大したため、現在の厚生年金の原型と考えてよいでしょう。
1961(昭和36)年には「国民年金法」が全面施行され、国民皆年金の制度が確立されました。給付額は段階的に増え1965(昭和40)年に1万円年金になった後、1969(昭和44)年に2万円年金、1973(昭和48)年に5万円年金と増額されていきます。1973年には物価スライド制が導入されました。そして1985(昭和60)年に基礎年金が導入されたのです。
国民年金の加入者を20~59歳の全国民に拡大し65歳から全国民共通の基礎年金(40年加入で月5万円)を支給する仕組みになりました。厚生年金と共済年金は、基礎年金に上乗せする報酬比例年金へ変更。現在も年金制度は改良が続けられており、将来的には国民年金と厚生年金の一元化も検討されています。支給額については「マクロ経済スライド」という考え方に基づき年金水準の調整が図られているのが特徴です。
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将来、年金だけではどの程度不足するのか
「年金だけでは老後の生活費を賄えない」といった予測で国民に不安を与えたのが「老後資金2,000万円不足問題」です。2019年6月に金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の中で1,300万~2,000万円が老後に不足すると明らかにされました。不足金額の根拠になったのは総務省が発表した「家計調査2017年 高齢夫婦無職世帯の家計収支」です。
同調査によると夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯では、年金と他の収入を合わせても生活費が1ヵ月あたり5万4,519円不足すると予測しています。その約5万5,000円の不足が30年続くと1,980万円不足することになり、「老後資金2,000万円不足問題」が現実化してしまうというわけです。年金制度は高度経済成長期の一般的な家庭である「夫婦と子ども2人」を標準として社会保障を組み立てられています。しかし今では少子高齢化が進んで夫婦・子ども世帯は全体の3割弱に過ぎません。
また、最低限の生活水準で2,000万円が不足するといわれており、老後にゆとりある生活をおくるためには、さらに多くの資金が必要になりそうです。しかし必要な生活費は各家庭の環境によって異なるため、自分たちの生活レベルに沿って準備を進めるべきでしょう。
35歳が老後に受け取る年金額は?
『35歳から創る自分の年金』(是枝俊悟著、日本経済新聞出版発行)という本が話題になっています。同書によると「年金の受取額は経済状況によって大きく変わる」といわれているのです。著者が想定した6つのシナリオのうち最も経済状況が良いケースでは、モデル世帯の2050年の年金額は336万円になる見込みです。
ところが最も悪い「衰退シナリオ」になると227万円にしかならず、現在の水準より14.7%も減少するというのです。では、公的機関ではモデルケースとして35歳の人が受け取る年金はどのくらいの額になるのでしょうか。社会保障審議会年金部会の資料によると以下のように予測されています。
35歳が65歳以降に受け取る年金額のモデルケース(出典:第9回社会保障審議会年金部会資料)
モデル | 2049年 | 2054年 | 2059年 | 2064年 | 2069年 | 2074年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
厚生年金(夫婦2人の基礎年金を含む) | Ⅰ | 27.5 | 27.5 | 27.5 | 27.8 | 30.1 | 32.5 |
Ⅲ | 24.5 | 24.5 | 24.5 | 24.5 | 24.5 | 25.7 | |
Ⅴ | 20.7 | 20.2 | 19.9 | 19.9 | 19.9 | 19.9 | |
国民年金(基礎年金) | Ⅰ | 7.1 | 7.1 | 7.1 | 7.1 | 7.7 | 8.3 |
Ⅲ | 6.3 | 6.3 | 6.3 | 6.3 | 6.3 | 6.6 | |
Ⅴ | 5.4 | 5.2 | 5.1 | 5.1 | 5.1 | 5.1 |
※2019年の時点で35歳だった人の年金見込み額となります(単位:万円)。
注目したいのは、モデルⅤにおいては受給額が大幅に低い予測になっていることです。モデルⅤというのは経済成長率0%、物価上昇率0.8%、賃金上昇率0.8%という条件の場合です。逆にモデルⅠは物価上昇率が政府目標の2%を達成し、賃金上昇率も1.6%と高い数値を達成した場合の数値になります。このように年金受給額は経済状況によって大きく左右される恐れがあるのです。
年金の不足分をカバーするのに最適な新築マンション投資
年金の不足分を補うためには若いうちから資産形成を考える必要があります。その有力な方法の一つが新築のマンション投資です。株式をはじめとするほとんどの金融商品は、ある程度まとまった自己資金が必要で値下がりのリスクもあるため、老後の資金作りとしては慎重にならざるを得ません。その点、新築マンション投資は金融機関から融資を受けやすく、自己資金が少ない人でも始めることができます。
ローン返済期間中は家賃収入でローン返済額を相殺するか、数万円の持ち出しが発生しますが、若いうちから長期スパンで資産形成を開始し65歳までにローンを完済すれば、以降は管理費・修繕積立金・固定資産税などの諸経費を引いた家賃がそのまま収入になる計算です。例えば、家賃収入が毎月8万円、諸経費の平均月額が2万円の場合、6万円が手元に残る計算です。これで老後に不足するといわれている毎月5万4,519円の不足分を補うことができます。さらに複数戸を所有することによって、ゆとりある老後を実現することも可能なのです。
※固定資産税の支払い、修繕積立金の上昇、家賃が逓減する可能性があります。
ローンの支払いを考えるとマンション投資は若い年代からはじめることが望ましいですが、30~35歳で始めても遅くはありません。「30歳で35年ローンを組む」「35歳で30年ローンを組む」といった工夫をすれば65歳の年金受給開始までに支払いを終えることができます。また、最近では45年ローンが組める金融機関もあるため、20~30代であれば新築マンション投資でも月々の収支をプラスにすることができます。さらにローン契約期間中は団体生命保険による生命保険効果が得られるので安心です。
新型コロナウイルスの影響もあり、今後も今まで同様に年収が上がっていくとは限りません。老後を少しでも豊かに暮らすためには、早い時期から新築のマンション投資で資産形成を始めるのが最善といえそうです。
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