2019.3.1
資産運用

長期投資ができる人とできない人がいるのはなぜ?

(写真=mrmohock/Shutterstock.com)
(写真=mrmohock/Shutterstock.com)
資産運用のスタイルをひとつの商品への投資から終了までの期間によって分けた際、長期投資と短期投資に区別して考えることができます。資産を形成するという観点から見たら、有利なのは前者のほうといえるかもしれません。しかし、後者のスタンスで爆発的に儲けようとしがちなのも事実。なぜ長期投資にはなかなか目が向かないのでしょうか。

投資は長期にわたって行うもの

投資は本来、長期で行って利益を出そうとするものです。理由は主に次の2つです。まず、デイトレードのような短期投資は手数料がかさみます。仮に1回の売買手数料が100円だとしても、100回取引すれば1万円です。多くの証券会社で扱われているFXのように、手数料という名目でなくても売りと買いの差額であるスプレッドによって徴収されています。

丁半博打のように勝ちと負けの確率が半々だったとしても、勝負を繰り返せば確率的には手数料の分だけ負けることになります。それに短期的な価格の変動を予想するのはプロでも難しく、かなりの熟練を要するものです。しかし、投資商品の価格は長期的には波のようにいったりきたりを繰り返す傾向があり、長期保有なら価格の上昇の波に乗るタイミングに遭遇する可能性も高まります。

長期投資に向いている代表格といえば不動産投資です。投資額が大きいぶん手数料も大きく、融資が必要という観点からも短期的な取引はプロ以外には難しいです。また、家賃という継続収入がメインなので、長期での結果が出やすいといえます。数年~数十年かけてローンを返済すれば、物件の売却代金がまるまる利益になります。

我慢づよさをみる「マシュマロ実験」とその追跡調査

しかし、多くの人は短期的な利益を求めがちです。結果がすぐ出るので、心理的にはまってしまいやすいのでしょう。長期投資にはある程度、強い意思が必要です。長期的な視点で見ることは、投資だけではなく多くの局面で重要です。その大切さを説くために、よく心理学の「マシュマロ実験」が引き合いに出されます。

この実験では子どもにマシュマロを与え、「15分間食べるのを我慢したらもう1個あげる」と伝えて、その後を観察しました。 結果、2個目のマシュマロをもらうのに成功した子は、成長後の学業成績や社会的スキルが高いということが追跡調査によってわかっています。マシュマロ実験を行った本人、ウォルター・ミシェル氏は、その著書『マシュマロ・テスト 成功する子、しない子』で、自制心を持つことが健康問題や資産形成にまで影響を及ぼすと説明しています。

※この実験には問題点もあり、子どもの成長には、もともと備わっている特性よりも家庭環境が与える影響のほうが大きいということを示す再試験(2018年)もあります。

自制心を持つことが投資を成功させる秘訣

投資には自制心が必要です。短期投資という名のギャンブルに近い「投機」をして資産をすり減らしてしまった経験のある人は、「長期投資と短期投資の特性を理解する」「広い視野で冷静に投資の目的を振り返る」ということをおすすめします。株や仮想通貨のデイトレードで一発当てることには夢があり、心が躍るかもしれません。余裕資金で投機を行うのはいいでしょう。しかし、長期的な資産形成という観点から見ると、インカムゲインを重視した「コツコツと耐え忍ぶ投資」のほうが現実的です。

長期と短期の2本柱で資産形成を行う

長期投資は自制心が必要なこともあり、短期投資のほうに興味を持つ人は多いかもしれません。しかし、デイトレードなどの短期的な投資は習熟までに時間がかかり、時には大きな損失を出すこともあるでしょう。トータルの手数料もかさみます。余暇でする遊びの一環として、楽しみながらやるのはよいでしょう。ただ、資産形成とは別物と考えるべきです。長期投資はとっつきにくいかもしれません。

しかし、計画的に行えば短期投資よりもメリットが出やすいものです。例えば、コツコツと自己資金を貯めながら不動産のような長期投資を行い、そのうえで興味があれば、失っても問題ないような金額で仮想通貨や株式などを買ってみるというのはいかがでしょうか。
 

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