2020.7.13
税金

確定申告しなくて大丈夫?副業の年間所得が20万円以下だったケース

(画像=PIXTA)
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老後の備えには自助努力が必要です。ビジネスパーソンの中には、投資や副業など給与所得以外の収入がある人もいるでしょう。その副業や投資で得た所得に対して、しっかりと確定申告をしていますか?「年間所得が20万円を超えてないのでしていない」という人もいるでしょう。確かに、この場合は税務署への確定申告は不要です。しかし、税金関係の手続きは所得への確定申告だけではありません。実は年間所得が20万円以下の場合でも住民税の申告は必要なのです。

うっかり忘れてしまったり、そもそも知らなかったりして申告をしないとペナルティが課される可能性があります。そこで今回は、副業の年間所得が20万円以下だったときの確定申告について解説します。

給与以外の年間所得が20万円以下でも住民税の申告は必要

会社員や公務員など給与所得がある人は、給与所得以外の年間所得金額の合計が20万円を超える場合、確定申告が必要になります。逆に副業の年間所得が20万円以下であれば「所得税」の確定申告は不要です。しかしこれはあくまでも所得税の話であって、住民税の申告は行う必要があります。住民税の申告の管轄は税務署ではなく、市区町村などの地方自治体です。

<給与以外の年間所得が20万円以下>
・所得税の確定申告は不要(税務署)
・住民税の確定申告は必要(地方自治体)

住民税には、副業の年間所得額によって確定申告を免除する制度はありません。たとえ1万円でも申告の義務があります。

どうやって確定申告する?

確定申告を行う先は、所得税の場合は税務署、住民税の場合は地方自治体と2パターンあります。

税務署に確定申告する

税務署と地方自治体は連携しているため、税務署に確定申告すると申告内容が自治体に伝えられる仕組みです。住宅ローン控除や医療費控除などで確定申告に慣れている人にとっては、この方法が楽かもしれません。「確定申告書の窓口提出」「e-Taxによる電子申告」など好きな方法で申告してください。2020年からはスマートフォンによる申告も可能になりました。

副業の所得が20万円以下でも、申告すれば所得税がかかります。そのため、所得税の確定申告をする必要がない人は、自治体に直接申告したほうが税金を抑えられる可能性が高いでしょう。

副業の所得とは関係なく、税務署に確定申告するケースもあるでしょう。例えば、初めて住宅ローン控除を受けるケースです。この場合、副業の所得が20万円以下であっても、「住宅ローン控除は税務署に申告し、副業の所得は地方自治体に申告する」というように分けることはできません。そのため、副業の所得を税務署に申告する必要があります。

地方自治体に直接申告する

地方自治体に直接申告する場合、書類を役所や役場に提出します。提出先は地域によって異なりますが、市区町村役場の税務課や市税事務所などが一般的です。「○○市 住民税 申告」などでインターネット検索してみてください。申告書をHP上でダウンロードできるところもあります。

確定申告書には給与所得やその他の収入、所得控除に関する情報も記載が必要です。正確に書くため、源泉徴収票や生命保険控除証明書、副業収入の金額がわかる明細などを用意してください。マイナンバーも控えておきましょう。申告書の様式に従って記入したら、管轄の役所や役場に提出します。直接窓口へ持参しても、あるいは郵送でも構いません。

申告を忘れると延滞税がかかることも

住民税の申告忘れが発覚すると、延滞金が課されることがあります。税率は、もとの税金に対して最大で年14.6%です。例えば、副業の年間所得が18万円だとすると住民税は10%で1万8,000円、1年間の延滞金は1万8,000円×14.6%で約2,700円となります(税率は特例措置があり、時期によって変わるので、最大税率で計算しています)。

発覚するケースとしては税務署による税務調査などです。直接住民税について調査されるわけではありませんが、結果にもとづいて修正申告を行えば住民税も計算し直されます。発覚する可能性や延滞金の金額を考えると無申告によるリスクは大したことがないと感じるかもしれません。しかし、違法であることはよく理解しておく必要があります。

故意に虚偽の申告をすると、後々の申告に矛盾が生じるかもしれません。今後も副業収入を得ていきたいのであれば、しっかりと申告するべきでしょう。住民税の申告期限は所得税と同じで、原則として2月16日~3月15日までです。期限に遅れても過年度分の申告・納付はできます。

申告したほうが得な2つのケース

確定申告はお金を払うことばかりではありません。申告することでお得になる場合もあります。税務署に申告することで源泉所得税の還付を受けられるケースがそれです。所得税の還付が受けられる2つのケースを見ていきましょう。

株式取引で損をした場合

株式取引で売却損を出した人は、確定申告することで税金の還付を受けられるかもしれません。株式取引では利益に対して20.315%(復興所得税を含む)の税金が課されます。会社員や公務員の場合は「特別口座(源泉徴収あり)」を利用している人が多いのではないでしょうか。この方法で取引すると利益が出るたびに所得税と住民税が金融機関から天引きされてしまいます。

本来、株式取引では年間の取引を通じた利益に対して課税されます。同じ年に利益が発生した取引と損失が発生した取引があれば、確定申告することで源泉徴収された一部が還付されることがあります。

不動産経営の赤字

副業の不動産投資で赤字が出た場合、給与所得と損益通算することで所得額が減少するため、勤務先で年末調整済みであっても税金が還付される可能性があります。さらに損益通算で控除しきれなかった損については、翌年から3年間「繰越控除」をすることができます。確定申告するのは帳簿上の赤字であり、現金収支とは別です。申告してみると意外に多く還付されることもあるため、金額に驚くかもしれません。

副業や投資は少額だとしても、確定申告するつもりで行うことをおすすめします。

副業の年間所得が20万円以下でも確定申告を

副業の年間所得が20万円以下だった場合、税務署への確定申告は不要です。ただし地方自治体へ住民税の申告を行う必要があります。税務署に申告することで税金の還付を受けられるケースも少なくありません。継続的に副業収入を得るようであれば、しっかりと申告を行うようにしましょう。

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