2019.3.18
資産運用

20~40代の資産形成層にぴったりな金融資産の増やし方

(写真=ESB Professional/Shutterstock.com)
(写真=ESB Professional/Shutterstock.com)
20~40代は、就職、結婚、子育てなど人生のビッグイベントに直面する世代と言えます。しかし、従来の20代前半で学ぶ期間が終わり、40年間働き、60~65歳で定年を迎え、老後生活を過ごすといった3つに区切られた生活パターンばかりではありません。長い人生の中で、学習や研究、長期休暇、転職など必要に応じて、必要な時期に選択する多様性に富んだ人生が一般的に浸透することになるでしょう。

それが、ロンドン大学のリンダ・グラットン教授が書き下ろした『LIFE SHIFT(ライフシフト)100年時代の人生戦略』という本です。従来の価値観、人生観ではなく一人ひとりの生き方の多様性が認められる時代に移り変わりつつあります。しかし、学び方や働き方が変化しても、結婚や出産、老後を迎えるということは、多くの人にとって今後も変わらないことでしょう。

お金に関して言えば、人生の3大資金という言葉があります。一般的には、「住宅取得資金」「教育資金」「老後資金」の3つです。20~40代の方々はこれらの資金を準備するのに、どのような点に気を付ける必要があるのでしょうか。

人生の3大資金の準備の仕方

まずは住宅資金です。その前に「住宅を購入するか」「賃貸で行くか」という永遠に続く議論はありますが、筆者が数多く作成してきたライフプランの経験からすると、自宅を購入され、ローン返済を定年前で完済した方が、老後資金がとても楽になるパターンが多い傾向です。したがって、ここでは購入前提で話を進めますが、その際には頭金を作ることが必要になります。

その期間は数年で作ることが理想で、しかも運用して確保するケースではリスクの高い商品を使うことはおすすめできません。次の教育資金ですが、これは積み立てる期間によってどう考えるかです。最近の超低金利政策で学資保険は魅力ある商品とは言えなくなりましたが、低解約返戻型終身保険などを使って途中解約をするなど、設計を上手にすることで積立預貯金より有利な商品を使うことも考えられます。

老後資金については、必要となる時期まで20~30年といった期間がありますから、時間を味方につける方法を賢く使うことが必要です。その代表的なものは、確定拠出型個人年金(通称iDeCo)で、3つの税制メリットを最大限使って確実に増やす方法がおすすめでしょう。

20~30代は時間を味方につけよう

若い方ほど時間を味方につけることを、ぜひ検討して下さい。合い言葉は「長期」「分散」「積立」です。この基本路線に沿って毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」を使って資産形成を行っていきます。その際もう一つ気にしたい点は、分散投資です。「一つのかごに卵を盛るな」の格言にもあるように、広くさまざまな投資対象に分散していくことが、長期投資では大切な考え方です。

例えば、月2万円を40年間積み立てると元本は960万円、年1%の運用利率ですと約1,180万円、3%では約1,852万円、5%では約3,052万円、7%では5,249万円(いずれも税金は考慮せず)と複利効果で大きく差が出てきます。さらに、ドルコスト平均法により、投資信託などの場合、途中で値下がりが続いたとしても買い付け価格が下がり、途中で一定水準まで戻れば大きなリターンが得られます。

もう1点知っておきたいことは、積立投資では値動きの大きい商品のほうが有利だということです。定期預金などに入れておくよりも、株式を中心とした投資信託やETFなどの積立商品をiDeCoで長期運用するのが現状ベストのシナリオだと考えます。

40代はそろそろ老後資金のことを

40歳代の方々は、老後資金のことをそろそろ意識し始める年代かもしれません。そのためには、老後の生活レベルをより具体的に把握することから始まります。大きなポイントは、「自宅所有か」「賃貸か」です。さらに、自宅所有であってもローンの残債次第で、老後の支出レベルが異なってきます。そして、公的年金が現状と同じレベルで支給される仮定の上で、足りない部分を自己資金や退職金で賄うこととなります。

この自助努力で運用できる金額は、それぞれに異なりますが、一気に数千万円を準備することは一般的ではありません。おすすめなのは、年代に応じて積立額を増やしていく方法です。若いころは、年収も少ないですし、子供の教育資金の負担感も大きいのが現状でしょう。40代になってくると年収も上がり、余裕も出てくるかもしれません。

そのときに毎月の掛け金を1万円でも増やすことで、資産形成の最終ゴールは変わってきます。資産形成ができるかどうかは、収入の差以上に積立の習慣があるかどうかで決まります。資産形成の王道は、積立なのです。


中村 伸一 (株)マネーデザイン代表取締役

学習院大学卒業後、外資系会計事務所、銀行、証券会社を経て、2014年FP会社である株式会社マネーデザインを立ち上げ、代表取締役に就任。
日本人のマネーリテラシーを上げることが、ひいては日本経済の向上につながるという信念のもと、Web上でのお金に関する情報発信や講演活動を行う。またFPとして、ライフプランをベースにした、中小企業、個人のお客様の住宅購入、各種生命保険加入、資産運用、相続・事業承継などのご相談を承っている。

保有資格
ファイナンシャルプランナー(AFP)、宅地建物取引士、証券外務員1種、生命保険シニアライフコンサルタント、変額保険販売資格、海外ロングステイアドバイザー、日商簿記検定2級

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