2020.1.10
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大都市圏マンション価格はまだ伸びる、これだけの理由

(画像=Suwicha/Shutterstock.com)
(画像=Suwicha/Shutterstock.com)
一般社団法人不動産協会が発表した2019年9月のマンション供給動向調査によると、首都圏・近畿圏・中部圏の3大都市圏のマンション坪単価は大幅な伸びを示しています。データから分かった大都市圏不動産価格がまだ伸びる理由には一体どんなものがあるのでしょうか。ここでは大都市圏マンション事情について解説します。

大都市圏のマンション価格は上昇が継続

2019年9月のマンション供給動向調査の中で3.3平方メートルあたりの単価でみると、大都市圏のマンション価格は依然として高い上昇率を示しています。例えば東京を中心とする首都圏が+5.8%、大阪を中心とする近畿圏が+6.9%、名古屋を擁する中部圏が+25.2%といずれも大幅に伸長しました。分譲価格でみても首都圏が+4.5%、近畿圏が+5.5%、中部圏が+20.7%と同じように高い伸びを示しています。

半面首都圏と近畿圏では物件数、分譲戸数ともに前年を下回っていることから需給がタイトになっていることも価格上昇の要因の一つでしょう。

大都市圏不動産市場好調の背景は?

大都市圏不動産市場が伸びている最大の要因はいうまでもなくスケールの大きな「国策的イベント」が続くことによる先高観です。東京五輪や大阪万博、IR(統合型リゾート)、リニア中央新幹線開通と東京、大阪、名古屋それぞれに材料がありIRには横浜も名乗りをあげています。

大きなイベントや大規模なインフラ、再開発計画があると進出する企業も増えるためオフィス需要も旺盛になるでしょう。都心のオフィスビル空室率は下がり、賃料は上昇する傾向があります。好立地のビルには空き物件自体がないため、「やむを得ず周辺のビルにオフィスを構える」というケースもあるでしょう。進出する企業が増えれば、勤める人たちの住宅需要も伸びます。近年は職住近接の流れがありますので、都心に近いマンションの坪単価が押し上げられる好循環になっているのです。

日本のマンション価格はまだ割安

日本のマンション価格がまだ割安であることも海外投資家の注目を集めやすいポイントです。日本不動産研究所が発表した「マンション/高級住宅(ハイエンドクラス)の価格水準」のデータによると、東京・港区にある高級住宅の価格(2019年4月時点)を100とした場合、香港が212.8で東京の2倍以上でした。

またロンドン197.4、上海125.3、台北115.1、ニューヨーク105.3と、いずれも東京を上回っています。東京の不動産が海外の主要な都市に比べれば、まだ割安であることが分かるのではないでしょうか。特に大阪は54.7と東京の半分程度の数値にとどまっています。最近、大阪の不動産がこれから上昇すると予測する相場見通しが目立つのもうなずけるデータといってよいでしょう。

また森記念財団が発表している「世界の都市総合ランキング2017」によると不動産投資の利回りはイギリス3.21%、フランス2.89%、シンガポール2.83%、ニューヨーク2~3%に対し日本は5.02%でした。世界の主要都市と比較しても日本は大きく上回る水準を示していることが分かります。

利回り重視の海外投資家が今後、日本の不動産の高利回りに着目して投資を増やす可能性は高いといえるのではないでしょうか。

東京一極集中のなか、単身世帯が増えていく

総務省が2020年1月に発表した「住民基本台帳人口移動報告」の2019年の結果によると、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は14万人を超える転入超過となりました。転入超過とは転入する人が転出する人を上回ることで、24年連続で転入超過となっています。

2019年3月に東京都が発表した「東京都世帯数の予測」によると、単身で暮らす単身世帯数は今後、増加傾向にあると予測しています。2015年現在、単身世帯数の割合は47.3%と50%を下回っていますが、2035年には50%超となり、2045年には51.2%に達する見込みです。

2つの調査結果からは、東京一極集中の流れは今後も続くことが考えられ、その中でも特に単身世帯が住むワンルーム物件の需要の高まりが予測できます。

収益用マンションを買うなら大都市圏が有利

以上のような背景から、収益用マンションに限れば価格はまだ伸びる余地が十分にあるでしょう。人口減少が進むことから郊外物件の相場には不透明感があるものの都心部のマンションやオフィスに関してはインバウンド需要も見込め、大都市圏の物件価格は安定した上昇が期待できます。

2019年4月1日から出入国管理・難民認定法改正案が施行されることで、介護業界を中心に外国人労働者が増加するのもマンション業界には追い風です。外国人労働者が一戸建てに住むとは考えにくいため、マンションの需要が高まる可能性があるからです。外国人労働者の雇用比率が高い企業が、会社周辺にある物件の空室を一括して借り上げるケースも期待できるでしょう。

国内投資家や海外投資家を問わず「収益用マンションを買うなら大都市圏」が共通のキーワードになりそうです。

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