新築マンションの場合、購入からしばらくの期間、部屋の設備交換はほとんど発生しません。しかし築10年を過ぎる頃になると、さまざまな設備の交換が発生しやすくなります。その代表はエアコンです。頻繁に使う設備のため、不備があると入居者満足を低下させる原因になります。交換時期の目安やチェックポイント、費用の考え方などについて解説します。
エアコンの交換時期 目安は10年前後
家電メーカーパナソニックによれば、「一般的に家庭用エアコンの寿命は10年程度」です。10年ほど経過すると各部品に傷みが出て、故障しやすくなるようです。合わせて、エアコンの部品を各メーカーが保有する期間も最低10年と定められています。それ以上になると修理が難しくなるケースもあるため、やはり10年程度が基準になりそうです。
しかし、10年というのはあくまでも一つの目安です。入居者が退去する度にエアコンの状態をきちんと確認するのが理想です。なぜなら、エアコンは使用頻度が高い設備のため、比較的新しいものでも調子が悪くなる可能性があるからです。
もし、不具合に気づかないまま新しい方が入居してしまうと、ストレスをかけてしまいます。入居者の不信を招く原因になるため、入念にチェックしましょう。
入居者退去時 エアコンのチェックポイント
退去時のエアコンのチェックポイントは次の通りです。
- エアコンから変な音がしないか(原因:室内機の送風ファン故障など)
- エアコンから不快なニオイがしないか(原因:フィルター奥のカビ発生など)
- 涼しくならない、暖かくならない(原因:冷媒ガス不足など)
- 室内機から水が漏れていないか(原因:排水経路の詰まりなど)
※参照:パナソニック「エアコンの買い替え時期」
退去時のチェックにオーナーが立ち会わず、管理会社に依頼するケースも多いでしょう。その場合は、上記の項目に沿ってチェックしてもらえるよう担当者に依頼するのが賢明です。問題があるときは、スマホの動画や写真などで報告してもらいましょう。不安がある場合は、早め早めの交換がベストです。
エアコン交換は内見がはじまる前に終わらせたい
いずれにしても、エアコンに問題がある場合は、スピーディーな判断が大切です。「新しい入居者が決まってからの交換でも遅くないのでは?」と考えるオーナーもいるかもしれませんが、次の2つの理由で内見がはじまる前の交換をオススメします。
ひとつめの理由は、時期によっては工事待ちの期間が予想外にかかることもあるからです。とくに賃貸の繁忙期である1月~3月、夏や冬が差し迫っている時期は、工事会社のスケジュールが先まで埋まる傾向があります。内見者が今すぐ住みたいと言った場合、不都合が起きてしまうため早めの交換着手が理想です。
2つ目の理由は、内見時に新しいエアコンがアピールポイントになるからです。古いエアコンよりも、新しいエアコンが設置されていた方が部屋のイメージが断然よくなります。
ワンランク上の高機能エアコンを設置するのも手
交換時に悩ましいのは、「いくらのエアコンにするか」ということです。たとえば、大手家電量販店サイトで6畳用エアコンを検索すると、4万円台~20万円台が表示されます。傾向的には、4万円台~6万円前後だとスタンダードな機能なもの、10万円前後になるとパワフルなもの、お掃除機能など高付加価値なものが目立ちます。
利回りを意識すれば少しでも安く…という発想になりがちですが、ワンランク上の10万円前後を採用するのも一案です。最安値のエアコンと比較すると、5万円~6万円のコスト増になりますが、仮に賃料10万円のマンションなら半月分の賃料でカバー出来る程度です。
エアコンは住み心地に直結するアイテムのため、これくらいのコスト増で入居者満足が高まるなら安いとも考えられます。一方、不動産投資はコストと収入のバランスも重要です。豪華すぎるエアコンを設置する必要はありません。賃料に応じて適切な価格帯のものを選択しましょう。
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