2021.3.22
資産運用

投資の世界の経験則、「アノマリー」を知って相場予測の精度を上げる

(画像=panitan/stock.adobe.com)
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株式やFXなど値動きによる利益(キャピタルゲイン)を狙う投資には、主に「テクニカル(チャート)分析」「ファンダメンタル分析」という2つの分析手法があります。これらに加えて「アノマリー」という分析手法があることをご存じでしょうか。実はこのアノマリーを重視する投資家は意外に多く、アノマリーによって相場への影響が見られることもあります。

本記事では、「アノマリーとは何か」「投資家のトレードにどのように役立つのか」について解説します。

アノマリーとは何か

アノマリーは、投資の世界における「よく当たる相場の経験則」と理解されています。「過去にこのような動きをしたので今年もそうなる」といったものです。ある意味では経験則ですが、一方でうわさ話や都市伝説の域を出ないようなものも少なくありません。有名なアノマリーとしては「セル・イン・メイ」があります。

セル・イン・メイとはSell in Mayのことで「5月に株を売れ」という意味です。「5月は株価が下がりやすい」というアノマリーに基づいています。「セル・イン・メイ」は英語のため欧米の株式市場では毎年のように意識されるアノマリーですが、実際に過去の5月株価がすべて下落したわけではありません。

誰かが流布したデタラメであれば無視すれば良いでしょう。しかし「過去のデータに基づいてまことしやかにささやかれているアノマリー」「当たっていると思われるアノマリー」などもあるため、参考にしている投資家は意外と多くいます。「当たるも八卦当たらぬも八卦」ですが、投資家としてアノマリーは「頭の片隅に置いておく」という意味では知っておく価値があるのではないでしょうか。

年間を通じたアノマリーの傾向

ここでは、1年間の四半期ごとにあるアノマリーを紹介します。
  • 第1四半期(1~3月)
  • 第2四半期(4~6月)
  • 第3四半期(7~9月)
  • 第4四半期(10~12月)

第1四半期(1~3月)

年またぎのポジションを持ちたがらない投資家によるポジション調整が起きやすい傾向にあります。その結果として新年は新たなポジションを取る(つまり株を買う)投資家が多くなりやすく、株高に触れやすいアノマリーがあります。また3月の決算期が近いことから大手企業の決算見通しなどのニュースが出やすく、銘柄によってはボラティリティ(価格変動の幅)が大きくなりやすい傾向です。

第2四半期(4~6月)

機関投資家にとっては4月が新年度です。そのため「4月は株の買いが入りやすく株高、それが5月の大型連休まで続いた後で反落する」というアノマリーがあります。このアノマリーは「4月高、こいのぼり天井」という相場格言でも表現されています。

第3四半期(7~9月)

米国には「サマーラリー」といって独立記念日の7月4日から9月のレーバーデイまでは商いが活発になり、それに伴って株高になりやすいアノマリーがあります。根拠は「夏季休暇の前に投資家が優良株を買い集めるから」といわれていますが、実際のところは定かではありません。その一方で、日本では「夏枯れ相場」といって盆休みなど長期の休暇があることから商いが薄くなりやすいアノマリーがあります。

第4四半期(10~12月)

10月は、米国発の株価暴落が起きやすい時期で、過去の大きな暴落も10月に起きている傾向にあります。そのため高値圏で推移していると警戒感が強まりやすいのですが、11~12月にかけては年末商戦もあって経済が活気づくため、相場も活気づきやすいアノマリーがあります。

その他の主なアノマリー

年間を通じたアノマリー以外にも実にさまざまなアノマリーがあります。ここではその中で代表的なものを3つ紹介します。
  • サンタクロースラリー
  • 2日新甫(ふつかしんぽ)は荒れる
  • ハロウィン効果

サンタクロースラリー

欧米では特別な時期となる12月24日(クリスマスイブ)から年末にかけては株価が上昇するというアノマリーです。ネーミングの由来はもちろん「サンタクロースからのプレゼント」という意味合いです。

2日新甫(ふつかしんぽ)は荒れる

新甫(しんぽ)とは、商品先物取引で使われていた用語で限月が切り替わって新しい限月が始まる日、つまりその月の最初の取引日を指す言葉。相場にとって節目の日になるため、「土日や祝日などで1日が休みになり2日が初日になるときは相場が荒れやすい」というアノマリーです。

ハロウィン効果

「ハロウィンの時期に株式を買い、翌年の5月までに売れば儲かる」というアノマリーです。ハロウィンという欧米のイベントが絡んでいるので都市伝説のように解釈している人もいます。しかし「大手機関投資家が10月の決算で株を売却することが関係している」という理論的な説もあるため覚えておきたいアノマリーでしょう。

アノマリーは万能にあらず、あくまでも参考程度に

ここまで代表的なものや有名なものを中心にアノマリーを紹介してきました。しかし冒頭で述べたように、これは経験則であり確実性の高い相場分析ではありません。しかし多くの投資家が知っているアノマリーの場合、それを意識したトレードをする人が多くなることからアノマリーが機能しやすく有効な参考情報にもなり得ます。

ただアノマリーは万能ではないため、もちろん外れることも珍しくありません。あくまでも参考程度に楽しむ感覚で意識しておくとよいかもしれません。

▽著者・
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