投資と投機の違いとは?安心できる資産運用ってあるの?

投資と投機の違いとは?安心できる資産運用ってあるの?資産運用

資産運用に関心はあるが、失敗が怖い……。「人生100年時代」「足りない老後資金」「貯蓄から投資へ」など、世の中ではお金についての不安をあおる言葉が飛び交っています。給料や年金だけに頼らない収入を得ることの重要性は、これからさらに増していくでしょう。しかし、投資と投機の違いについて理解することは、それ以上に重要なのです。

投機はギャンブルに近い

投資と投機の違い。それは、着目する点が対象の「価値」か「機会」かの違いです。

両者が混同されがちなのは、客観的に見てもほとんど同じことをしているからです。「株を買う」「外貨預金をする」「不動産を持つ」などの行為を投資として行う人もいれば、投機ととらえる人もいます。

大きな違いは、取り組む際の姿勢です。どこに着目して行うかによって、投資と投機に分かれます。

株式投資で例えるとわかりやすいでしょう。株式は本来、企業が持つサービスや販売などの実績から生み出される収益を得るために購入します。この収益は、配当金や株価の上昇といった形でもたらされます。投資とは、対象の価値を買うことなのです。

しかし、株価を動かすのは企業の業績だけではありません。短期的には、うわさレベルのニュースや大口投資家の売買なども変動要因となります。この変動幅で儲けようとするのが投機です。

投機の収益は、価格変動に関する予想が当たるか外れるかに左右されます。この取り組み方をギャンブルと表現する人もいます。

最も安定した資産運用は事業

投資と投機、そして資産運用。この3つに共通することは、いずれも「持っている資産を増やすために行う」ということです。 

他の2つに比べて、資産運用は幅広い概念と言えます。所有する資産の価値を高めるために行うあらゆる行動を指し、そこには「何もしない」ことも含まれます。もし今後物価が下がると考えるなら、最善の運用方法は貯金かもしれません。

この考え方を広げると、収入を得るためにお金を使うことは、すべて資産運用と言うことができます。最も安心できる資産運用は投資でもなければ、ましてやギャンブルに近い投機でもありません。それは事業です。蓄えた資金を元手にして、サービスや商品などの価値を生み出すことです。

事業と投資の違い。それは資金を振り向ける対象が他人の事業か、自分の事業か、の違いです。どちらもお金を使うのであれば、相場に左右されることが少ない事業のほうが安定していると言えるかもしれません。

資本収入は誰にでも生み出せる

事業は、特別な才能や経験がないとできないと思うかもしれません。しかし誰かの役に立ち、その見返りとしてお金をもらうことは、誰にでもできます。

事業収入には大きく分けて、労働収入と資本収入があります。労働収入は経験や知識、あるいは才能がなければ、得ることは難しいでしょう。一方で資本収入は、価値を生み出す財産を持ってさえいれば、誰もが生み出すことができます。

この財産を得るために自分のお金を使うことが、資産運用としての事業です。具体的には、不動産を買って住居として貸す、ウェブサイトを購入し情報を提供する(サイトを売買できるサイトがあります)、太陽光発電システムを設置して電気を売るなどが挙げられます。もちろん、この他にもさまざまな事業があります。

投資は基本的に継続的な収入を目的とするため、数年がかりの中長期的な資産運用になります。事業はもっと長い期間を対象にします。価値の高い事業に育て上げれば、一生の付き合いになるでしょう。長期間にわたって安定した収入が得られることも、事業が最も安定している資産運用である理由です。

事業を資産運用のよりどころにしよう

最も安心できる資産運用は、価格変動をとらえようとする投機でもなければ、中長期的な金融商品への投資でもありません。自分のお金を「収益を生む資産」に変える事業なのです。相場に左右されず、継続的に長期の収入を得られることは、将来への安心につながるでしょう。

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アセットONLINE編集部
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