2026新春『びっくり大予想』

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明けましておめでとうございます。

2026年もみなさまのご多幸を心よりお祈り申し上げます。

今年もこのアカウントに訪れてくださるユーザーのお役に立てるよう精いっぱいつぶやいてまいります。

年始の挨拶はこれくらいにして1回目は「新春・びっくり予想」です。テレビのドッキリ番組のようなおふざけとは違いまして、そこそこマジメなびっくりです。びっくりとは「テールリスク」、起こる確率は非常に低いけれども起こったら大変なリスク要因・リスクシナリオを指します。

荒唐無稽だと言えなくもないのですが、4月バカのようなまるっきりでたらめと言い切れないところがポイントです。もともとは米国の市場関係者が言い始めたのですが、稀に当たるのですっかり有名になってしまいました。いずれも私見なので読み流していただいて結構です。以下、当たってほしくないシナリオ、当たってほしいシナリオに分けて点検していきましょう。

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まずは「米国発」の危機シナリオをいくつか挙げてみました。蓋然性が高いのは生成AI関連企業の失速です。2025年は兆円単位の巨額投資を公表する企業が目立ちましたが、本当に投資額を回収できるかどうかはわかりません。ビジネスに黄信号がともれば期待が剥落。AI関連企業を中心に2025年までの動きが逆回転に追い込まれるでしょう。

リーマンショック再来――。100年に1度の暴風雨と言われた2008年の米国金融危機が再び起こるかもしれません。米国では銀行などを通さない投資ファンドなどによる融資、いわゆるプライベートクレジットが膨張しているといわれます。

表には出てこない「隠れ融資」ともいえるので、融資先などが破綻した場合、金融市場への動揺は激しくなるでしょう。

米国発リスクとして関税絡みの動きも要注意。年明けにも、トランプ米政権が課した関税の合憲性を巡る米連邦最高裁判決が出される見通しです。違憲判決が出た場合、関税はどうなるのか、誰も読み切れていません。また、米中関係は蜜月だと言われますが、いつ関係がこじれるかわかりません。米中関係が緊張し、米国の対中関税がまた強化されれば世界市場の重しになりそうです。

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続いて日中関係にいきましょう。軍事衝突に至るまではステップがあります。まず、レアアースを禁輸するなど製造の根幹にかかわる部分で中国が圧力をかける可能性があります。実行されると、日本の産業はむろん世界全体の経済やサプライチェーンに大きな影響が出るでしょう。

東シナ海での制海権を握るため台湾海峡が軍事封鎖されたり、台湾企業を支配下に置こうとしたりすれば、世界経済全体に影響が広がるでしょう。特に台湾には世界有数の巨大半導体メーカーがあり、半導体の供給が滞ることになれば間違いなく景気後退、株価暴落につながるでしょう。

そんなバカなことはありえない――。これは甘い考えで、独裁的国家というのは返り血を浴びることをいとわない傾向があります。

同様にロシアによるウクライナ侵攻をみて西欧各国も身構えていますが、ロシアとNATO側諸国との偶発的衝突も確率ゼロのシナリオではありません。

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しかし、株安や金融市場の混乱なら逆に資金が代替資産である投資不動産に流れ込む可能性もあります。不動産オーナーにとって警戒すべきテールリスクはやはり自然災害でしょうか。

いちおう「3つの巨大災害」を掲げました。どれが起こっても一大事ですが、都心部の不動産を直撃するのはやはり首都直下型地震でしょうか。地域や街における損害、鉄道網や上下水道・電気などインフラへのダメージなどによって、投資不動産の価格が分かれるでしょう。

すっかり忘れられているのが富士山噴火です。私が社会人1年生になる昭和~平成初頭くらいまでは南海トラフなど誰も話題にせず、もっぱら富士山大噴火・駿河湾大地震が大災害の代名詞でした。富士山が噴火すると火山灰などが拡散して首都圏の空路・交通網は麻痺するでしょう。

新年早々、縁起の悪いシナリオをたくさん挙げてしまいました。

というわけで最後は「大吉」シナリオで締めくくりましょう。「高市フィーバー再び」です。私は4月ごろに「国民の信を問う」形で衆院解散がありうると読んでいます。支持率が高いままであれば、自民単独で過半数獲得、あるいは法案のすべてを動かせる絶対安定多数も夢ではありません。

2025年10月の高市総裁誕生ほどのインパクトはありませんが、自民圧勝なら株式市場には見直し買いなど評価する動きがもう一度広がるでしょう。

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まあ、いろいろ書きましたが、あくまで「起こってほしくない」「ほぼ起こらない」予想ですから、どうぞご安心ください。お正月はひいきの神社にお詣りして、まずは自分のお財布に「福の神」が宿るようにしっかり祈念しておきましょう!

著者・監修者プロフィール

田中彰一 (たなかあきかず)
田中彰一 (たなかあきかず)
日本経済新聞社 コンテンツプロデューサ-兼アセットリード物件オーナー

●1989 年入社、証券部配属。東証や日銀、NY駐在など主に金融・資本市場担当。
BSテレビ東京「日経モーニングプラスFT」、日経CNBC「昼エクスプレス」コメンテーター
テレビ解説のほか日経電子版開発、コラム執筆など「話す」「創る」「書く」の三刀流をこなす。
CFP®、1種証券外務員、シニアプライベートバンカー、宅地建物取引士。
●奈良出身。趣味は世界遺産巡り(現在43カ国・地域歴訪)、大型バイク、ドローン、ゲーム、競馬
●最新刊「50 代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(日経出版社)など著書多数。