兼業不動産投資家というのは、会社員や自営業など他に本業を持ちつつ不動産投資に取り組んでいる人のことです。本業の先行きに不透明感や危機感を持っている人にとって最初に仕組みを作ってしまえば、以後は不動産の賃料収入という不労所得に近い副収入源を確保することができる不動産投資は魅力的です。上手く仕組みを作り、不動産投資が回り始めれば、経済的なメリットだけでなく精神的な安定というメリットも得られるでしょう。
特にサラリーマンの立場で参入する人たちのことをサラリーマン大家と呼びますが、なぜこうした兼業投資家が増えているのか、その理由と兼業投資家ならではの強みも含めて解説します。
兼業投資家として不動産投資を始める人が増えている
一時期ほどの過熱ムードからは落ち着いているものの、いわゆる不動産投資ブームと呼ばれるような潮流があります。インターネットや金融機関の融資を駆使することによって不動産投資の門戸が広く開かれることとなり、サラリーマンなどこれまで不動産投資とあまり縁のなかった人も参入しやすくなりました。
専業投資家は、不動産投資を主な収入源として生計を立てている人たちですが、兼業投資家の中から投資規模を拡大させて専業投資家にシフトしていく人も登場しており、両者の垣根が低くなってきています。先行きの不透明感に対するリスクヘッジ、老後への備え、今よりも豊かな生活を実現するためといったように理由はさまざまです。しかし、収入を複線化することには有形無形のメリットがあります。
不動産投資家の適性は融資を受けられるかどうかで決まる
しかし、標準的な収入レベルの人が少なくとも数千万円クラスになる不動産物件を簡単に購入できるかというと、あまり現実味はないでしょう。そこで、重要になるのが金融機関の融資です。「金融機関の融資を受けられるかが、不動産投資家になる適性があるかどうかを決める」といっても過言ではないでしょう。
物件の購入費用の全額を現金で用意できないから金融機関の融資が必要というのもひとつの大きな理由になります。しかし、仮に現金を用意できる人であっても融資を活用するべきなのが、不動産投資の面白いところです。なぜなら、収益物件という担保があるため金融機関からの借入金利も低く、低コストで調達した資金(他人資本)を活用した方が、投資効率が高くなるからです。
実はサラリーマンはとても不動産投資家向き
資金調達と投資効率の向上という重要な役割を持つ融資を受けられるかどうかは、不動産投資を始められるかどうかの分かれ目です。融資の審査で重視されるのは、主に以下の項目です。
1.年収
2.勤続年数
3.勤務先の安定度
4.自己資金額
4つ目の自己資金については若干意味合いが異なりますが、それ以外の3つを集約すると「長く勤めていて安定的な収入があり、今後もそれが続くかどうか」という要素から返済能力を評価していることが分かります。これらの項目は不動産以外でも融資の返済能力を審査するのに用いられており、勤続年数の長いサラリーマンの方々は有利な立場にいることが分かるのではないでしょうか。
仕事の量によっては、サラリーマンの給料よりも個人事業主の収入の方が高いかもしれません。建設関係の職人さんには収入の高い人が多いですが、「サラリーマン大家」という言葉はあっても「職人大家」という言葉はありません。理由はもちろん、「融資の審査でどちらが有利なのか」が明白だからです。今は良くても、先行きに漠然とした不安や危機感をお持ちのサラリーマンの方々が、不動産投資に解決を委ねたいという気持ちになることは自然なことといえます。
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