マイナンバーカードは、一律10万円を支給する特別定額給付金のオンライン申請において、その必要性が改めてクローズアップされました。2020年9月からはマイナンバーカードのさらなる普及促進のために「マイナポイント事業」が開始されることをご存じでしょうか。本記事ではマイナポイントの概要と今後マイナンバーカードを使ってできることについて解説します。
マイナポイントってなに?
総務省は、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及促進のために2020年9月1日~2021年3月31日まで「マイナポイント事業」を実施します。マイナポイントとは、マイナンバーカード取得者が選択したキャッシュレス決済サービスでチャージや買い物をした際に利用金額の25%分のポイント(1人5,000円分が上限)が付与される制度です。
5,000円分が上限ですが、決済サービス会社が行なう独自の上乗せキャンペーンで、さらにポイントが付与される場合があるため、うまく利用すれば数千円分多くポイントを得ることも期待できます。
どの決済サービスを選べばよいのか
注目度が高いマイナポイントですが「どの決済サービスを利用するか」で迷っている人も多いのではないでしょうか。ポイントがたくさん付与されることが望ましいですが、ポイントを活用するためには「よく利用する決済サービス」を選ぶことも重要です。またポイントを得ることが目的になってしまって無理な買い物をしてしまわないようにすることも大切です。
主な決済サービスの種類(2020年8月9日現在)
決済サービスのジャンル | 詳細 |
---|---|
電子マネー | SuicaやICOCAなどの交通系ICカード、楽天Edy、nanaco、WAONなどの流通系ICカードが中心。最も参加事業者が多いジャンルです。 |
プリペイドカード | 生活協同組合をはじめ地域独自のカードが中心になります。 |
QRコード | いわゆる〇〇payと呼ばれる決済方法でメルペイ、au PAY、PayPay、楽天Pay、d払いなどがあります。 |
クレジットカード | 楽天カード、イオンカードなどの流通系とJPバンクカード、三井住友カードなどの銀行系に分かれます。 |
デビットカード | 2020年8月12日時点では、三井住友カード、イオン、ジャパンネット銀行の3社のみです。 |
対象となるキャッシュレス決済サービスは順次追加される予定です。利用する際は、マイナポイント公式サイトで最新情報を確認しましょう。
便利でお得なマイナンバーカードの申請は早めに手続きしよう
マイナポイント事業をきっかけにマイナンバーカードの申請を検討される人も多いのではないでしょうか。現在、マイナンバーカードを持っていない人は手元にある紙製の「マイナンバー通知カード」を活用して申請するのですが、2020年5月25日で新規の発行は廃止となっていますので注意が必要です。廃止後もマイナンバーカードの申請はできますが、この機会にマイナンバーカードを作っておいたほうが無難でしょう。
マイナンバーカードの申請方法
マイナンバーカードとは、住民からの申請で発行される顔写真入りのプラスチック製カードです。マイナンバーカードには国内の全住民に指定・交付されている個人番号が記載されています。マイナンバーカードの申請方法は以下の4つです。
- 郵便
- パソコン
- スマートフォン
- 証明用写真機
郵便
- 個人番号カード交付申請書に署名または記名・押印し顔写真を貼り付ける
- 交付申請書の内容に間違いがないか確認のうえ送付用封筒に入れて郵便ポストに投函する
パソコン
- デジタルカメラで顔写真を撮影しパソコンに保存する
- 交付申請用のWebサイト(マイナンバー総合サイト)にアクセス
- 画面にしたがって必要事項を入力し顔写真を添付して送信する
スマートフォン
- スマートフォンのカメラで顔写真を撮影する
- 交付申請書のQRコードを読み込み、申請用Webサイトにアクセス
- 画面にしたがって必要事項を入力し顔写真を添付して送信する
証明用写真機
- タッチパネルから「個人番号カード申請」を選択
- 撮影用のお金を入れて交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざす
- 画面の案内にしたがって必要事項を入力し顔写真を撮影して送信する
受取方法は、申請後に市区町村から交付通知書が送付されます。通知書を市区町村窓口に持参し、本人確認をした後に受け取ります。
マイナンバーカードでできるようになること
マイナンバーカードを作成するとさまざまな行政サービスを受けられるだけでなく、本人確認書類として活用することができます。マイナンバーカードを使ってできるようになることは以下の通りです。
(内閣府マイナンバーサイトによる分類)
- 身分証明(携帯電話の契約、ライブ会場の入場、各種会員登録など)として利用可能
- コンビニでの各種証明書の発行(住民票、課税証明書など※自治体によって異なります)
- マイナポイントで5,000円分のポイント付与
- 健康保険証としての代用(2021年3月開始予定)
- スマホ、パソコンで行政手続き(子育てなどの行政手続き、健診結果や医療費の確認など)
- 住宅ローンの申し込み、各種口座開設(ICチップによる電子証明)
- 社員証としての利用(実施企業のみ)
- e-Taxでのオンライン確定申告、マイナポータルでの電子申請
また、マイナンバーと以下が紐づけられています。
・銀行口座
銀行にはマイナンバー(個人番号)と預金口座を紐付けて管理する義務が課せられています。2020年6月、高市総務相は給付金などを迅速に支給する目的で、国民1人につき1口座についてマイナンバーの提出を義務づける方針を示しました。
・証券口座
2016年1月1日以降、証券会社に新たな口座を解説する際にはマイナンバー(個人番号)を提出する必要があります。それ以前に口座を作った場合は提出期限が2021年末までと猶予が設けられています。また2022年1月1日以降については、株式などの売却代金や配当金といった支払いの受取時までに、マイナンバーを提出しなければなりません。
・生命保険
生命保険会社には一定額以上の保険金・年金などを支払いする際、税務署へ提出する支払調書に受取人のマイナンバー(個人番号)を記載することが定められています。そのため、保険金や年金などを受け取るためには、生命保険会社へマイナンバーを知らせる必要があります。
そのほかにもマイナンバーと紐づけられる項目は今後どんどん増えていきそうです。
まだマイナンバーカードを取得していない人は、マイナポイント制度で「5,000円分のポイント+決済サービス事業者独自のポイント還元」が受けられる期間中(2020年9月1日~2021年3月31日)に作っておくのがお得といえそうです。
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