激動2025 10大ニュース アセットオンライン版

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年末の風物詩と言えば、世相を表す漢字と10大ニュースの選定です。今回はスペシャルとしてアセットオンライン版を作ってみました。個人的見解なので突っ込みはなしでお願いしますね。

今年の漢字は「熊」だったそうですが、どう考えても的を射ません。これから紹介する10大ニュース(日経電子版における報道ベース)を振り返れば火を見るより明らかです。

トップはやはり憲政史上初の女性宰相誕生と金融・資本市場に与えた強烈なインパクトだと思います。特に日経平均株価は節目を次々と突破し、一気に5万円台まで上昇しました。

2024年あるいは2025年からNISA(少額投資非課税制度)を始めた方は間違いなく全員が相当多くの含み益を享受されているはずです。

この半年前、2025年春 に遡りますが世界の資本市場を揺さぶる大事件が起こりました。トランプ米大統領による相互関税の発動です。高関税による景気減速やインフレを警戒した動きで世界の株価は大幅に下落、「関税ショック」に見舞われました。日本株は年後半「高市トレード」で急伸したため、1年を通じてさながらジェットコースターのような乱高下になりました。

アセットオンライン版だから、というわけではありませんが、この1年は「不動産」にも高騰の波が押し寄せました。かつての資産バブルではありません。人手不足による人件費の高騰、円安に伴う資材の値上がりなども相まってマンション価格が大きく値上がりしました。

都心部ではマンション価格が相次いで「億超え」となり、もはや標準的な収入のファミリー層では手の届かない高嶺の花となってしまいました。新築マンション高騰は中古マンションにも飛び火して急騰。購買をあきらめた消費者が賃貸マンションに流れた結果、賃貸市場も需給がひっ迫。家賃がぐんぐん上がりました。

23区では単身赴任者などのシングル向けマンションで平均賃料が初めて10万円を超えました。投資物件のオーナーには良いことかもしれませんが、社会全体にとってこの傾向は決して手放しでは喜べないように思えます。

 「投資」という意味でもっとも人気を集めたのは実は貴金属なのです。NISA成長投資枠で認められた公募投信はおよそ2000種類ですが、その1位と2位を金ファンドが占めました。ゴールドが文字通り金メダル、そして銀メダルをとったというわけですね。

 10大ニュースには載せませんでしたが米価格も高値圏で推移しましたね。平均3%の物価高は定着してきたといいますが、マーケット的な視点でみると2ケタの上昇率がふつうのように思えます。

 さて、最後になりますが、2025年を漢字1文字で表すと--?。

著者・監修者プロフィール

田中彰一 (たなかあきかず)
田中彰一 (たなかあきかず)
日本経済新聞社 コンテンツプロデューサ-兼アセットリード物件オーナー

●1989 年入社、証券部配属。東証や日銀、NY駐在など主に金融・資本市場担当。
BSテレビ東京「日経モーニングプラスFT」、日経CNBC「昼エクスプレス」コメンテーター
テレビ解説のほか日経電子版開発、コラム執筆など「話す」「創る」「書く」の三刀流をこなす。
CFP®、1種証券外務員、シニアプライベートバンカー、宅地建物取引士。
●奈良出身。趣味は世界遺産巡り(現在43カ国・地域歴訪)、大型バイク、ドローン、ゲーム、競馬
●最新刊「50 代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(日経出版社)など著書多数。