何から投資を始めるか?株式投資と投資信託 手間とコストとリターン等を紹介

何から投資を始めるか?株式投資と投資信託 手間とコストとリターン等を紹介資産運用

投資に興味はあるけれど、なかなか第1歩が踏み出せない……そんな方に理由を聞くと以下のような答えが返ってくるようです。

1.難しくてよくわからないから
2.預金と違って、損をするかもしれないから
3.お金を持っている人がやることだから

1番目のハードルは、正しい知識や情報を身に付けることができれば解決できそうです。むしろ、大切なのは、知識・情報そのものよりも、それらを収集したり取捨選択したりできる能力、つまり金融リテラシーなのかもしれません。投資で成功したいと思うなら、銀行や証券会社のアドバイスを鵜のみにするのでなく、自らの頭でかみ砕き、判断しなければなりません。そのために必要なのが、金融リテラシーです。

今回の記事では、リテラシー習得に役立つよう、代表的な金融商品である株式と投資信託について、手間・コスト・リターンなどについて紹介します。

手間はかかるが腕が磨ける株式投資

資本主義の世の中では「会社は株主のもの」です。つまり、株を買うということは大げさに言えば、その会社のオーナーになることを意味します。オーナーになるのですから、「業績は安定しているのか」「伸びしろはあるのか」「財務状態は心配ないのか」など、その企業の力量を見極めなければなりません。会社の強みとする主力製品や市場動向、競合の動きも無関係ではありません。

こうした企業業績を判断する指標のことをファンダメンタルズ指標と呼びます。加えて、株式は証券取引所を通じて売買しますが、取引価格は買いたい投資家と売りたい投資家の需給関係、つまり相場を見通さなければなりません。こうした相場の指標をテクニカル指標と呼びます。ファンダメンタルズ・テクニカル指標を体得し使いこなせるようになるには、時間も手間もかかります。

しかし、試行錯誤を繰り返して経験を積み重ねるうちに「投資の腕」が磨かれ、醍醐味も実感できるようになるのです。また、低コストな点も株式投資の魅力です。ネット系証券会社なら取引手数料は0.1%前後ですし、保有している間の口座維持手数料は原則としてかかりません。

プロに任せておける投資信託

株式投資で腕を磨くといっても、本業が多忙なビジネスマンにとって貴重な時間を割くのは簡単でないでしょう。そこで、注目したいのが投資信託です。投資信託はファンドマネージャーが策定した投資方針に基づき、投資家に代わって投資判断・取引を代行してくれます。つまり、運用のプロフェッショナルに任せておけるわけです。

任せるわけですから、当然コストは割高です。2016年3月末基準で日本の投資信託購入時の平均的な買付手数料が3.20%、年間の信託報酬が1.53%もかかります。これは、アメリカの投資信託(買付手数料0.59%、信託報酬0.28%)と比べてもハイコストです。

また、割高だからといって、きっちりリターンを稼いでくれるわけでもありません。過去10年間のリターンを検証すると、投資信託のうち実に7割が日経225種の年平均利回り(2%)を下回っています。投資家には、ばらつきの激しい投資信託のリターンとコストを比較し、どれがハイパフォーマンスなのか見極める力が求められます。

そのために、投資信託の格付け情報で実績のある「モーニングスター」などを活用し、投資判断に有用な情報を仕入れましょう。

まずは投資を始めてみよう

投資を始めるに当たって知識を身に付けるのは大切なことです。ただし、もっと大切なのは「経験」ではないでしょうか。例えば、確定拠出年金制度の加入者と未加入者では、投資のリテラシーに顕著な差が見られるとの調査結果もレポートされています。つまり、まず経験を積んでリテラシーを高め、後付けで知識を身に付けるといった流れの方が早道なのです。

これは、スポーツや仕事と相通じるのかもしれません。個別株式にせよ投資信託にせよ、コスト・リターンなどの基本的なことがわかったら、次は「まずは投資してみようか」というモチベーションが大事です。その場合の注意点はただ1つ、「大きな勝負には出ず少額から始める」ことです。

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アセットONLINE編集部
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