コロナ禍が続く中、先行きに不安を覚えて生命保険の加入・見直しを検討する人が増えています。そんなときに選択肢として考えたいのが「不動産投資」です。なぜなら物件を購入する際に団体信用生命保険に加入することで、それが生命保険代わりになるからです。さらに既存の保険契約の見直しをすることでコストダウンにつながる可能性もあります。
身近に危機が迫る中、保険を見直す人が増加
株式会社エイチームフィナジーは2020年6月に「新型コロナウイルス感染症の流行による生命保険加入への影響調査」を行いました。同調査によると「新型コロナウイルスの流行は、生命保険の加入・検討に影響を与えましたか?」との質問に対して、「かなり影響を与えた」35%、「やや影響を与えた」31.3%、「影響を与えた」6.5%といった回答になっています。
あわせると実に72.8%の人が「影響を与えた」と回答したことになります。新型コロナ罹患による入院や死亡、収入減少などが現実的に起こり得るリスクとして認識されたことで、保険の見直しを改めて考えた人が増えているものと推測できます。
不動産投資なら生命保険効果を得ながら資産形成ができる
新型コロナのリスクに対応する方法として、保険に加入する以外にも選択肢があります。それは、区分所有のワンルームマンションに投資をする「不動産投資」です。不動産投資は、たとえ資金が少なくても金融機関からのローンによってレバレッジを効かせることで大きな額の取引ができます。ローン返済中は家賃収入とローン返済額が相殺になるか、若干の持ち出しがある形にはなりますが、ローン完済後には資産となり、家賃収入から諸経費を差し引いた手残り分が「年金代わり」となる点が不動産投資の大きな魅力です。
一般的に不動産投資でローンを組む際には「団体信用生命保険(団信)」を契約します。団信とは、その名の通り生命保険の一種で、借り主が万が一死亡したり高度障害になったりした場合に生命保険金によって残りのローンが相殺される保険契約です。不動産投資だけでなく自宅を購入する際の住宅ローンでも団信への加入が契約の条件になっている金融機関が多いでしょう。
団体信用生命保険のメリット
団信のメリットは、通常の生命保険(死亡保険)と同じく死亡(または高度障害)時の保障が得られることです。万が一、契約者が亡くなったときには、団信によってローンの残債がなくなるため、家族に無借金の収益物件を遺せることになります。家族は相続した物件を売却して一時金を得るか、保有し続けて家賃をもらい続けることができるのです。いずれにしても不動産が生活を支える貴重な資金源となります。これが、不動産投資のもうひとつの大きな魅力です。
団信と一口にいっても「3大疾病特約」「11大疾病特約」「がん保障特約」など種類はさまざまです。これらに加入すれば死亡・高度障害だけでなく、幅広い病気にも備えることができます。例えば「がん団信」の場合は、所定のがんと診断されれば残債の支払いが免除され、その後の家賃収入を生活費や治療費に充てることができます。治療の末にがんが完治したとしても残債の支払い義務はありません。がんは治る時代になりつつある現代においては、これは大きな魅力といえます。
また団信は、一般的な生命保険の保険料よりも割安なため、コスト面も大きなメリットといえるでしょう。なぜなら、「団体」の名が付く通り、団体契約の生命保険であり団体割引が適用されているため、団信の保険料は民間の生命保険の保険料と比較するとやや割安になっているのです。
団体信用生命保険のデメリット
団信のデメリットは、ローンとセットになった生命保険のため、契約内容の途中変更や解約ができないことです。ローンの返済が続いている間は、保障を減らしたり増やしたり他の保険会社に乗り換えたりすることはできません。したがって保障内容を充実させたい場合には「生命保険に追加で加入する」「もう1件収益物件を購入する」「借り換えを行なう」などの対応をします。
また団信はローン残高相当が保険金として支払われる商品のため、ローンを一部繰上返済して残高が減ると、その分だけ保険金も減る点はデメリットかもしれません。さらに一括返済した場合には、団信も解約となります。つまりローンを繰上返済すれば毎月の支払い負担が減ってキャッシュフローは増加するものの、その一方で団信による保障が薄くなってしまうわけです。繰上返済をする際には、生命保険効果とのバランスをよく考えながら判断するべきでしょう。
普通の生命保険と団信で内容の見直しを
「ローン返済中は万が一のときのリスクを回避できる保険」「ローン完済後は家賃収入を得られる資産」といった2つの機能をあわせ持っているのが不動産投資です。そのため不動産投資を始めた人の多くは、その後に生命保険の見直しを行います。例えば2,000万円のローンを借りてマンションを買った場合は、2,000万円の生命保険に加入したのと同じ効果が見込めます。
そのため「既契約の生命保険を2,000万円分減らす」といった判断もできます。余分な保険を解約することで毎月支払う保険料の削減になるでしょう。もし配偶者や子どもがいない若い人の場合は、高額の生命保険の必要性はあまりないといえます。そのため不動産投資を始めて団信に加入することで、「他の保険は解約してもいい」と判断することもできるでしょう。
一方で結婚している人で子どもがまだ幼く、現在加入している生命保険の保障が少ない人は、保障を厚くするために「不動産投資を始める」という選択もできます。
万が一に備えながら資産形成ができる
不動産投資の一番の強みは、物件選定さえ間違わなければ資産価値がゼロになることはないという点です。ローンを完済(団信適用含む)すれば「実物資産+家賃収入」が得られるため、自分と家族を守ってくれる頼もしい味方になります。
「攻め」の資産形成を図りながら団信による「守り」も充実できることが不動産投資の大きなメリットです。生命保険の見直しを考えているのなら「攻め」と「守り」が同時にできる不動産投資も選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
著者・監修者プロフィール
- アセットリードが運営する「アセットONLINE」では、将来を見据えた資産形成を考えるビジネスパーソンのために、不動産投資、資産運用、税金、マーケットに関する情報をわかりやすく配信しています。