2019.7.18
税金

投資用不動産の売却時にかかる税額を知り、売るタイミングを見極める

(画像=zamzawawi isa/Shutterstock.com)
(画像=zamzawawi isa/Shutterstock.com)
不動産投資では、購入時や保有期間だけでなく売却時にも税金がかかります。どれくらい税金がかかるかを把握していなければ、実際に売却した後に驚くことになるかもしれません。手元に残る現金を最大化するためにも、売却時の税金について知っておきましょう。

そもそも売却時にはどんな税金がかかる?

収益不動産の売却時に支払う税金の種類は、多くはありません。主に以下のような税金がかかります。

・印紙税
・登録免許税
・譲渡所得税・住民税

印紙税は、不動産売買契約書に貼る印紙の代金です。たとえば1,000万円超5,000万円以下の不動産を売却した場合、印紙税は1万円です(平成32年3月31日まで軽減措置による)。

登録免許税は、抵当権抹消登記にかかる税金です。この額は不動産1個につき1,000円です。なお、抵当権がついていない不動産の場合は、登録免許税はかかりません。

これらの税金は大きな額にはならないので、心配する必要はないでしょう。最も高額になる可能性があるのが、譲渡所得税・住民税です。これらは、物件を売却した時に発生した譲渡所得(売却益)に対してかかる税金です。

売却時の譲渡所得はどのように計算する?

譲渡所得金額を求める計算式は、以下の通りです。

売却金額-(購入金額-保有期間中の減価償却費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額

計算の結果、譲渡所得金額がプラスになれば税金が発生します。マイナスなら税金は発生しません。各項目について、もう少し詳しく説明しましょう。

不動産を保有していると、建物や設備など減価償却費を費用計上します。売却時には購入金額から減価償却費を引いた金額が基本となります。
例えば、購入金額が2,500万円で売却金額が2,300万円だったとしても、保有期間中に500万円の減価償却費を計上していれば、「売却金額-購入金額」がプラスになり、譲渡所得税が発生する可能性があります。

譲渡費用とは、不動産を売った時にかかった費用を指します。具体的には、仲介手数料や印紙税、測量費、立ち退き料、建物取り壊し費用、売買契約を解除して別の有利な契約をした時の違約金、借地の地主に支払った名義書き換え料などが含まれます。

特別控除額とは、収用により土地建物を売却した場合(5,000万円)やマイホームを譲渡した場合(3,000万円)に適用される控除額です。

「短期」と「長期」では大きな違い

上記の式で算出した譲渡所得金額に対して、一定の税率をかけて税額を計算します。注意しなければならないのは、不動産の所有期間に応じて税率が変わることです。具体的には、所有期間が5年超ならば「長期譲渡所得」、5年以下ならば「短期譲渡所得」に該当します。それぞれの税率は、以下の通りです。

・長期譲渡所得(所有期間が5年超)
課税長期譲渡所得金額×20.315%
(内訳:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

・短期譲渡所得(所有期間が5年以下)
課税短期譲渡所得金額×39.63%
(内訳:所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)

このように、長期か短期かで税率が2倍近く変わってしまいます。「5年超」か「5年以下」かを判断する基準は「1月1日時点」です。土地や建物を売った年の1月1日時点で、その土地や建物の所有期間が5年を超えていた場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」に該当します。

たとえば、2015年2月1日に買ったマンションを、5年10ヵ月後の2020年の12月1日に売った場合は、どちらに当てはまるでしょうか。実際の所有期間は5年をゆうに超えていますから、長期に当てはまりそうな気がしますが、違います。売った年の「1月1日時点」では、所有期間がまだ5年を超えていないので、短期譲渡所得に該当してしまうのです。

仮に、この物件の売却で1,000万円の譲渡所得が発生していれば、短期譲渡所得の税額は約396万円です。あと1ヵ月待ってから売れば、長期譲渡所得となって税額は約203万円で済みます。1ヵ月の違いで、200万円もの税金の差が発生してしまうので。

税金を抑えるなら売るタイミングが重要

譲渡所得にかかる税金は、売るタイミングに注意が必要ということがおわかりいただけたでしょうか。

ただし、不動産の市況は刻一刻と変わります。仮に、「あと半年待てば短期譲渡になって税負担が軽くなる」という状況でも、半年後に今と同じ金額で売れるとは限りません。半年待っているうちに市況が悪化し、売却金額が大幅に下がるという可能性もあるのです。不動産市場の動向を注視しつつ、不動産会社と相談しながら、最適なタイミングで売却を行うようにしたいものです。

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