2021.4.5
不動産投資

不動産投資は何にお金がかかる?「初期費用」から「各種税金」を総まとめ

不動産投資をはじめるときには様々な初期費用がかかります。特に大きいのが「税金」です。税金は、マンションの購入時だけでなく、保有時や売却時にもかかります。この記事では、不動産投資にかかる費用や税金に関し、徹底的に解説します。

不動産投資にかかる「初期費用」は?

不動産投資には、物件の購入費用のほかにも「初期費用」がかかります。初期費用は大きくわけると、保険料や仲介手数料、ローン費用、専門家への報酬費用、清算金、そして税金になります。

●初期費用1:保険料

不動産投資でローンを組むのなら、火災保険への加入が必要です。仮に全額現金で購入するにしても、万一に備え、保険加入は行っておいた方がよいでしょう。

保険料の決め方は、「建物の時価で評価する方法」と「再構築に必要な金額で評価する方法」の2つがあります。ただ、後者が一般的です。

相場は保険会社や保険金の額にもよりますが、「マンションなら10年で10万円前後」と考えておくとよいでしょう。この他、購入する建物が木造か鉄筋コンクリート造かでも変わります。

●初期費用2:仲介手数料

不動産仲介会社を通して投資物件を購入すると、手数料がかかります。仲介手数料の上限額は、売買価格の3~5%となっていますが、実際は仲介業者によって異なります。なお、新築マンションを購入する場合は仲介手数料は発生しません。

●初期費用3:ローン費用

ローンを組んで不動産投資を行うのなら、金融機関に対し不動産投資ローン事務手数料を、保証会社に対しローン保証料を支払います。

金融機関への事務手数料は定率制か定額制となります。定率制はローン総額に金融機関が定めた割合を乗じて計算します。定額制は10万円前後となるのが一般的です。また、金融機関によっては保証料がかかる場合があります。

このほか、繰り上げ返済を行うときも、事務手数料を支払わなくてはならないことがあります。

●初期費用4:専門家への報酬費用

不動産を購入すると、土地や建物の登記を行います。また、ローンで不動産投資をするなら、抵当権の設定登記も必要です。この登記は通常、司法書士に依頼します。司法書士への報酬は、5万円から12万円前後が相場です。

●初期費用5:清算金

売主との間で火災保険料や固定資産税、修繕積立金などを清算することがあります。火災保険料は購入時に支払い、固定資産税や修繕積立金は年1回計算したものを定期的に支払います。売主がすでに負担しているなら、買主が日割り計算で一部負担する形で清算金を支払わなくてはならないのです。

●初期費用6:税金

不動産購入に伴って発生する税金も初期費用のひとつです。「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」がかかります。

物件以外の初期費用のなかで、特に大きな割合を占めるのが「税金」です。税金はマンションの保有時、売却時にもかかるため、それぞれのタイミングでどのような税金がかかるのかを把握しておくことが大切です。

では、初期費用でかかる税金も含めて、各種税金について詳しく解説していきます。

不動産投資をすると発生する税金は?

不動産投資をすると購入時・保有時・売却時で様々な税金がかかります。一つひとつ、確認していきましょう。

●購入時に初期費用としてかかる税金

不動産を買うと、次の3つの税金がかかります。

1.不動産取得税
不動産取得税とは、購入や贈与、新築などで土地や建物を取得した時にかかる税金です。有償・無償や登記の有無に関係なく「課税標準×税率」で課税されます。2024年3月31日まで、不動産取得税の税率は原則、次のようになっています。
  • 土地と住宅用建物:3%
  • 非住宅用建物:4%
不動産取得税の課税標準は原則、固定資産税評価額です。しかし建物の敷地である宅地や宅地と同様の評価をされた土地に関しては、2024年3月31日まで、課税標準額が「固定資産税評価額×1/2」とされています。

ただし、新築住宅では「新築日」によって軽減措置を受けることが可能です。たとえば、1997年4月1日以降の新築住宅は課税標準から1,200万円が控除されます(長期優良住宅の認定を受けている場合は1,300万円)。

2.登録免許税
登録免許税は、土地や建物の所有権や抵当権を登記する際にかかる税金です。新築なら所有権の保存登記、売買なら所有権の移転登記に関し、「課税標準×税率」で税額を計算します。税率は原則、次のようになっています。
  • 土地(売買):0.2%
  • 建物(売買):0.2%
  • 建物(新築):0.4%
2021年度税制改正で土地の売買に対する課税の特例措置が2023年3月31日まで延長されました。そのため、現在、土地の登録免許税の税率は0.15%となっています。

3.印紙税
不動産の売買や建設工事の請負、ローンに伴う金銭消費貸借などの契約書には印紙税がかかります。これは契約金額で税額が決まります。不動産投資に伴う売買や新築、ローンの契約なら税額は次のようになります。

▽不動産投資での契約書に伴う印紙税の税額
不動産の売買契約書
新築の請負工事契約書
住宅ローンの金銭消費貸借契約書
契約金額 印紙税額 契約金額 印紙税額
500万円超
1,000万円以下
5,000 500万円超
1,000万円以下
1万円
1,000万円超
5,000万円以下
1万円 1,000万円超
5,000万円以下
2万円
5,000万円超
1億円以下
3万円 5,000万円超
1億円以下
6万円
1億円超5億円以下 6万円 1億円超5億円以下 10万円
5億円超10億円以下 16万円 5億円超10億円以下 20万円


●保有時にかかる税金

不動産を保有している間、以下の税金がかかります。

1.固定資産税
固定資産税は毎年1月1日時点で土地や戸建て、マンションの個室を保有している人に対してかかる税金です。税額はいずれも原則、「固定資産税評価額×1.4%(税率)」で計算します。ただし、土地・建物いずれも住宅用に該当するなら軽減措置があります。

土地が住宅用地だと、税額は次で計算した金額となります。
  • 200平方メートルまでの部分:固定資産税評価額×1/6×1.4%
  • 200平方メートル超の部分:固定資産税評価額×1/3×1.4%
このほか、建物の新築・耐震リフォーム等があると一定期間、税額が軽減されます。

2.都市計画税
都市計画税も固定資産税と同様、毎年1月1日時点で土地や建物を保有している人に対して課税されます。ただし地域限定です。都市計画法による都市計画区域のうち、市街化区域内にある土地・建物が対象となっています。

原則、「固定資産税評価額×0.3%(税率)」で計算します。ただし、土地が住宅用地ならば、税額は次のようになります。
  • 200平方メートルまでの部分:固定資産税評価額×1/3×0.3%
  • 200平方メートル超の部分:固定資産税評価額×2/3×0.3%
3.所得税・住民税
不動産投資をすると家賃収入に対して所得税・住民税がかかります。この家賃収入は「不動産所得」に該当します。不動産所得は「総収入金額-必要経費」で計算します。

なお、不動産所得は他の所得と合算します。一定の所得控除を差し引いた後、税率を乗じて税額を計算するのです。所得税は課税所得額に応じて税率が決まりますが(後述)、住民税は一律10%の税率となります。

4.事業税
事業税は不動産オーナーや個人事業主に対して課される税金です。原則、所得額290万円超となったときに課税が生じます。不動産投資に課される事業税の税率は5%です。

●売却時にかかる税金

不動産を売却すると、次の税金が生じます。

1.所得税・住民税
不動産を売却すると、売却益である譲渡所得に課税されます。なお、この譲渡所得の税金は不動産投資時の不動産所得と違い、その他の所得と区別して単独で「譲渡所得×税率」で計算します。

譲渡所得は「譲渡対価-(取得費+譲渡費用)」で計算します。税率は不動産の所有期間に応じて次のようになっています。
 
  • 所有期間が5年以下:39.63%(所得税・復興特別所得税30.63%、住民税9%)
  • 所有期間が5年超:20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)
2.印紙税
購入時にかかる税金「3.印紙税」と同様に、不動産売却時も売買契約書に印紙税がかかります。「買った時も払ったのに?」と思うかもしれません。不動産売買契約書は売主分・買主分を作成すると、両方とも課税文書とみなされ、印紙が必要になるのです。ただし、契約書を1通だけ作成し、もう1通はコピーとするなら、「買主は原本保管」「売主はコピー保管」で印紙税を抑えることはできます。

このほか、不動産オーナーが賃貸物件を売却すると「営業」とみなされて領収書に印紙税が課されることがあります。その場合、売却時には売買契約書の印紙税に加えて、さらに領収書でも印紙税がかかることになります。

「所得税」の仕組み

不動産投資時の税金として最も大きいのが、保有時にかかる所得税です。先述のとおり、不動産投資時の不動産所得は他の所得と合算して課税所得となり、その金額に応じて次のように税率が決まります。 課税所得額が190万円なら適用される税率は5%、所得税額は「190万円×5%=9万5,000円」です。しかし300万円になると税率は10%、所得税額は「300万円×10%-9万7500円=20万2,500円」になります。

▽所得税の速算表(2015年分以降)
課税所得額 税率 控除額
1,000円以上194万9,000円以下 5% 0円
195万円以上329万9,000円以下 10% 9万7,500円
330万円以上694万9,000円以下 20% 42万7,500円
695万円以上899万9,000円以下 23% 63万6,000円
900万円以上1,799万9,000 33% 153万6,000円
1,800万円以上3,999万9,000円以下 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

所得が高ければ高いほど、適用税率も高くなり、納税額も急激に増えるのです。

発生する費用を把握した上で戦略を練ろう

不動産投資には様々な費用がかかります。だからこそ、戦略と知識が必要です。

各種費用や税金に充てる資金をどこでどれくらい調達するか、どのような物件なら収益を上げられ資金繰りが楽になるかを考え、計画を立てれば不動産投資が成功しやすくなります。また、物件の選び方や税金の仕組みを知ることで、税金を抑えることもできるのです。

「1人で全部こなすのは難しい」と感じたら、不動産活用に詳しい専門家に相談しましょう。


▽著者・鈴木まゆ子
税理士・税務ライター|1976年生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、(株)ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。「ZUU online」「マネーの達人」「朝日新聞『相続会議』」「KaikeiZine」などWEBで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。業界専門紙「納税通信」にも寄稿。母子家庭育ち。母の浪費癖を引き継いで一時困窮するも、コツコツ貯金をして税理士試験の受験資金を作る。その後も貯金・投資で資産を形成。三姉妹の母。著書に「海外資産の税金のキホン(税務経理協会、共著)」がある。


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