2018.11.30
不動産投資

不動産投資をスタートする「理想の年齢」を定義する

(写真=Alexander Supertramp/Shutterstock.com)
(写真=Alexander Supertramp/Shutterstock.com)

投資は早くはじめるほど有利、という言葉をよく聞きます。具体的に不動産投資の場合は、何歳頃からスタートするのが理想なのでしょうか。リタイアする年齢(定年年齢)と返済期間にもとづいて、理想のスタート年齢を考えてみましょう。

リタイアする年齢、イコール完済した方がよい年齢

不動産投資をスタートする理想の年齢は、定年年齢から逆算するとわかりやすいです。現役時代は、ローンの返済額と家賃収入を相殺して、負担のない形で資産形成を進めます。その後、リタイアする頃にローンを完済すると、家賃収入がそのまま「私的年金」の代わりになります。この「私的年金」と「公的年金」を組み合わせると、収入が減っても現役生活と変わらない、あるいは、それ以上に豊かな生活をおくることができます。

平均的な定年年齢は、厚生労働省の「平成26年就労条件総合調査の結果の概況」が参考になります。1,000人以上の大企業の退職年齢は次の通りです。

  • 60歳:92.2%
  • 61~65歳:7.8%
  • 66歳以上:0.1%

同調査によると、企業規模がこれよりも小さくなると定年年齢がやや上がる傾向があるものの、多くの企業では60歳を定年に設定しています。一方、最近では、日本国内で人手不足が深刻なこともあり、高齢者の雇用環境が劇的に変わりはじめているのも見逃せません。

さきほどの調査の後に実施された厚生労働省の別の調査では、希望者全員を66歳以上まで継続雇用している企業の割合が増加しています。

  • 中小企業:6.1%
  • 大企業:2.2%

出所:厚生労働省「平成29年「高年齢者の雇用状況」集計結果」

合わせて70歳まで働ける企業の割合も着実に増えています(大企業で約15%)。以上の内容から、数十年後の定年年齢は、65~70歳あたりに設定するのが現実的と考えられます。

期間をかけて完済を目指す場合は、新築~築浅を選択すべき

次に、ローンの返済期間を考えます。定年年齢から返済期間を引いた年齢が「不動産投資をはじめる理想の年齢」の目安になります。

とはいうものの、これは取引する金融機関や頭金をどれだけ用意するかで大きく変わります。マイホームのローンと違い不動産投資のローンは、早く返済することにこだわるよりも、ある程度の期間をかけて計画的に返していった方がよいとも考えられます。

返済期間を長くすると、月々の返済額を抑えられます。それにより、「家賃−ローン返済額」の間に利益が生まれキャッシュフローが楽になるからです。

返済期間はケースバイケースですが、仮に30年と設定した場合は、さきほどの65~70歳の定年年齢から逆算して、35歳以下が不動産投資をスタートする理想の年齢になります。また、35年に設定すれば、30歳以下が理想です。

ここで注意したいのは、長めの期間で完済を目指す場合は、新築または築浅の物件を選択した方がよい点です。もし、現在築30年のマンションのローンを30年かけて返済していくと、完済する頃には築60年になり、私的年金を生み出す力が無くなっている可能性があります。

条件が変われば、中高年のスタートでも遅くない

ただし、借り入れ先や運用方針などの条件が変われば、状況も変わってきます。たとえば、返済途中で売却してキャピタルゲイン(売却益)を狙いたい方は、残債の早期減少を優先し、短期ペースでの融資返済を目指す、または繰上げ返済を実施する方針もあります。ここでのキャピタルゲインとは、「売却価格-購入価格の差額」ではなく「売却価格-融資残債」を指します。この場合は、返済期間が短くなるため中高年になってからスタートしてもよいでしょう。金利は資金を調達するため(融資を組むため)のコストですから、短期で返済することにより金利コストは減少します。短期返済の場合、1回当たり(1月当たり)の返済額が増加し、毎月のキャッシュフローは圧迫されますが、トータルでの収益を考えて、短期での融資返済運用を若い世代が選択するのもありです。

また、金融機関の中でも「日本政策金融公庫」から借り入れをした場合は、15~20年くらいの融資期間が一般的になります。定年年齢から逆算すると、50代になってからスタートしても遅くはありません。融資期間が短く、利回りが低い場合、毎月のキャッシュフローは赤字になりますが、融資の返済スピードは早く、「想定売却金額>融資残債」のタイミングも早く訪れます。毎月のキャッシュフローの赤字額と「想定売却金額>融資残債」での利益を合算して試算することが重要です。また、早期に融資返済が完了すれば、その後のキャッシュフローは一気に改善します。融資返済期間中の支払いと融資完済後の家賃収入も合算して試算しましょう。
さらに言えば、相続対策のために不動産経営をしたい方は60代以降のスタートでも問題はありません。

このように「不動産投資を何歳からはじめると理想か」は、前提条件で大きく変わってきます。不動産投資をはじめる時は、物件の売却時期やご自身の定年年齢を設定し、綿密なシミュレーションをした上で物件を購入する必要があります。

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