新型コロナウイルスの影響によるテレワークの普及でオフィス需要が減退し、飲食店などの相次ぐ閉店でテナントビルの空室が増加傾向です。アフターコロナでもその傾向はしばらく続くと予想されることから、不動産市場で有望なのは投資用マンションのみになる可能性があります。
アフターコロナの不動産市場は一体どうなるのでしょうか。今回は、アフターコロナではマンション投資一択になる理由について解説します。
新しい生活様式がもたらす不動産市場への影響(オフィスは縮小傾向、テナントビルも苦戦)
アフターコロナの不動産市場に影響を与えるのが、「新しい生活様式」と呼ばれるライフスタイルの変化です。仕事でも私生活でも、常に“3密(密閉・密集・密接)”の回避を心がけなければなりません。特に3密になりやすい「通勤」を減らすため、今後もテレワークの比重を高める企業が増加するでしょう。そのため、オフィス需要は縮小に向かうことは避けられない情勢といえます。
一方、テナントなどの店舗動向はどうでしょうか。飲食店はソーシャルディスタンスの観点から席の間隔を開ける必要があり、満席が続いても客数が以前の水準に戻ることは期待できません。売り上げが減っても家賃は変わらないため、利益が減少することが予想されます。個人経営の店では閉店を決断する店舗も少なくありませんが、苦戦を強いられているのは大手外食チェーンも同じです。
例えば、2020年5月にロイヤルホールディングス株式会社では「ロイヤルホスト」や「てんや」など約70店舗、ワタミ株式会社も同年同月に65店舗の閉鎖を発表しています。その他の外食チェーンも、規模の大小はあっても“店舗リストラ”は避けられない状況といえるでしょう。
以上のような理由により、オフィス、店舗の需要回復は当面は見込めず、テナントビルはかつてない苦境に立たされる可能性があります。
結局、生活必需のマンション投資が有望
マンション投資は運用する物件が居住用のため、景気にそれほど左右されないという強みがあります。「収入が減ってタワーマンションから低層マンションに転居する」ということはあっても、住まいが不要になるわけではありません。生活をするうえで住居は必需のため、居住用不動産の需要は安定しているといえます。「マンション投資は安定性が高い」といわれる理由が、そこにあります。
テレワークが進んで自宅にいる時間が増えるため、セキュリティや防音がしっかりした物件が選ばれる傾向にあります。また、小さくても書斎スペースがあったり、宅配ボックスが設置されてあったりする物件も需要が高まるでしょう。
東京カンテイの調査によると、2020年5月の首都圏の分譲マンション賃料は、1平方メートルあたり3,061円で前月比+0.3%と安定して推移しています。新型コロナウイルスによる経済的影響が顕著になった2020年4月でも、前月比+0.1%とわずかに上がっているのです。マンションの賃料は大きな上昇は望めない代わりに、経済危機があった場合でも「急激に下がることはない」という安心感があります。
そのためアフターコロナの不動産市場は、マンション投資一択になる可能性が高くなるでしょう。
具体的な投資先としては都心マンション
具体的な投資先としては、東京都心のコンパクトマンションが最も有望です。東京を中心とする首都圏マンション価格に関しては、良い市況が発表されています。不動産経済研究所が発表した2020年4月の首都圏新築マンション平均販売価格は、6,216万円と前年同月比で5.4%上昇しました。
契約率に至っては78.9%で、前年同月比+14.6ポイントの大幅な伸びを示しています。コロナ禍で不動産会社も販売活動を自粛していたところも多かった状況を考えれば、サプライズ的な数字といってよいでしょう。ではなぜ、コロナ禍なのに契約する人が増えているのでしょうか。今後も不安定な経済状況が続くことを考慮し、今のうちから将来を見越して、安定した資産価値を維持できる都心のマンション購入に踏み切る人が増えたことが原因と考えられます。
東京23区の好立地マンションであれば、空室リスクも少ないでしょう。また、他の不動産市況が低迷しても居住用のコンパクトマンションの賃料は今後も安定することが見込めるため、投資先としての需要はますます高まるでしょう。
これからの時代は、投資物件も新築で購入するのが理想的です。その理由として、購入当初に手間がほとんどかからない点と、人生100年時代において公的年金とは別の収入源として長く働いてくれることが期待できるからです。
新築で購入する人は、生命保険効果を得ながら長期保有による家賃収入(インカムゲイン)を継続して得ることが目的です。都心の好立地マンションを選択しておくことで、それが可能になりますし、出口戦略としてローン完済後に自身で居住することや、売却して売却益(キャピタルゲイン)を得ることもできるでしょう。
なお、テレワークの普及によって地方に移住する人が増え、都心のマンションの需要が減るのではという懸念もあります。しかし完全にテレワークに移行できる企業・職種は限定されますし、月に数回は出社しなければならないスタイルが大半であるため、単身層による都心物件ニーズは今後も変わらないことが予想されます。
新型コロナウイルスによる経済的停滞は、国民に資産形成の必要性を喚起させるという予想外の展開となりました。中でも、景気の影響を受けにくい都心のコンパクトマンションでの不動産投資であれば、銀行から融資を受けやすいため自己資本が少額でもはじめられます。また、ローン返済も家賃収入を元手に進められるので、これから資産形成をはじめようとしている会社員・公務員の方にとっては最適な資産形成法といえるでしょう。
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