資産運用セミナー空前の“熱量”

マーケット

7月も半ばに入りつつありますが、梅雨空はまだ晴れそうにないですね。しかし、この湿った天気とは裏腹に、個人の資産運用はかつてない熱気に包まれているようです。

じつは7月上旬は名古屋と札幌、立て続けの出張があってバタバタしておりました。両方とも個人対象の「資産運用セミナー」。早朝、東京を出て名古屋でセミナー。終了後すぐに夕方便で札幌に飛び、夜に着いて翌朝から午前・午後ダブルヘッダー。で、夜には東京帰還とまったく遊びもゆとりもない、おいしくない?出張でした。

しかし、そこは歴戦のビジネスマン!千寿の天むす、スープカリーと味噌ラーメンだけはがっつり堪能してまいりました。おいしかったです!ごちそうさま♪

で、名古屋会場のほうはBSテレ東とテレビ愛知の共催でしたが、募集枠100人に対して応募が700人を超えたようです。通常、来場者は5割程度の歩留まりにとどまります(統計的にも実績でも)。今回も200人少しを抽選で絞ったらしいのですが、なんと開演30分前に満席!大わらわでやりくりしてなんとか席を確保したようですが、想定をはるかに超える来場者となりました。

札幌では毎回、講演終了後さっと波が引くようにお帰りになられるのですが、びっくり仰天。7人ほどの方が質問に来られて行列ができてしまいました。7人中6人が女性。もちろん、丁寧にご回答しましたが、どこもかしこも資産形成への熱量がハンパじゃないことを実感した次第です。

「お金はあるが運用の知識ゼロなのでプライベートバンカーに任せたいが、信頼できるかどうかわからない」「日本株を買えというが、日本の将来真っ暗で大丈夫なの?」「ネット証券が良いというけど対面と違って誰も教えてくれないじゃん」など実直で生々しい個人投資家の前向き?な悩みを承り、私も大いに勉強になりました。

アセットONLINEの購読者の皆さまは不動産運用では一歩、リードされておられますが、NISAやiDeCoなどでの有価証券運用も手掛けておられますか?

日経電子版で興味深い記事が出たので共有します。総務省の家計調査(2人以上世帯)によると、2025年は1世帯あたり平均2059万円と過去最高になりました。うち、有価証券は63万円(16.7%)増の440万円と3年連続で前年を上回りました。一方、普通預金などの通貨性預貯金が710万円と前年より18万円(2.6%)増え、全体の34.5%を占めました。

うーん、まだまだ圧倒的に現預金が多い!私は退職時に企業型DCをすべてiDeCoに振り換えました。3カ月も手続きがかかって大変でしたが、2025年の2月に全世界株や日本株中心にポートフォリオを組みました。現在までの1年5カ月というわずかな期間でリターンは+48%。当初の想定では年率5%、5年後に3割ほど増えていれば物価に勝てる、という算段でしたが、期待値を10倍近くしのぐ好パフォーマンスに驚いています。

 「早い者勝ち」「やったものが勝つ」――。セミナーではこのエピソードを改めて全面展開しました。現金で寝かすのはもはやもったいないというより、実質的に資産を目減りさせ続けている点で浪費よりも罪悪感があるようにも思えます。ただ、現預金派が多いということは言い換えるとまだまだ「潜在的な個人投資家」が多いわけで、資産運用の熱気は数年単位で続くかもしれないですね。

【参考記事】https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA292G00Z20C26A6000000/

著者・監修者プロフィール

田中彰一 (たなかあきかず)
田中彰一 (たなかあきかず)
日本経済新聞社 コンテンツプロデューサ-兼アセットリード物件オーナー

●1989 年入社、証券部配属。東証や日銀、NY駐在など主に金融・資本市場担当。
BSテレビ東京「日経モーニングプラスFT」、日経CNBC「昼エクスプレス」コメンテーター
テレビ解説のほか日経電子版開発、コラム執筆など「話す」「創る」「書く」の三刀流をこなす。
CFP®、1種証券外務員、シニアプライベートバンカー、宅地建物取引士。
●奈良出身。趣味は世界遺産巡り(現在43カ国・地域歴訪)、大型バイク、ドローン、ゲーム、競馬
●最新刊「50 代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(日経出版社)など著書多数。