新築区分マンションによる不動産投資を始める際に、注目したいものがあります。それは、物件カタログです。中古物件にはない新築ならではの情報源なので、これを活用しない手はありません。新築区分マンションを比較検討する際に、カタログのどこに注目すべきなのでしょうか。そのポイントを3つに整理しました。
ポイント1. 物件カタログには「見てほしいこと」が書いてある
新築区分マンションと新車はいずれも高額商品の代表格ですが、それぞれに共通していることは、しっかり作り込まれた商品カタログが存在することです。一方、中古区分マンションや中古車の場合、公開されている情報が少ないことも珍しくありません。新築区分マンションと比較して、優位性や最も注目してほしい部分がどこなのか、という方向性が示されていない例も多く見られます。
新築区分マンションのカタログに記載されていることは、販売側にとって「見てほしいこと」です。なぜそのマンションを企画・開発したのかというコンセプトから始まり、立地条件や想定している顧客層のイメージ、設備面の優位性など、こちらから尋ねるまでもなくセールスポイントが並べられています。
新築区分マンションのカタログには、そのマンションが持つ魅力のすべてが、漏れなく掲載されていると考えてよいでしょう。
ポイント2. デザインや情報の取り扱い方から優位性の順位が分かる
マンションを売り込む側の心理を考えると、そのマンションの何を最も推したいかという優先順位があるはずです。
一番のセールスポイントが立地条件なのであれば、最寄り駅や近隣のターミナル駅名や公共施設などの写真などが大きく掲載されているはずです。周辺環境を推したいのであれば、公園や学校などの名称や写真が大きくデザインされていることでしょう。設備が自慢のマンションであれば、室内の風景や設備などが強調して表示されているのではないでしょうか。
こうした事情を踏まえたうえで、カタログを一目見た時に何が真っ先に目に入ってくるかを意識してみてください。真っ先に目に入ってくるものが、販売側にとって優位性の中でも最も推したい項目(そのマンションの最大の売り)であると考えてよいでしょう。
ポイント3. 「書かれていないこと」のチェックリスト
新築マンションであっても新車であっても、「良いことしか書かれていない」というのが読み手側の心理でしょう。逆に考えると、新築マンションのカタログに「書かれていないこと」は、販売側にとって注目してほしくない部分であると推測できます。
少々斜めからの目線ではありますが、一般的に新築マンションの優位性になり得る要素がどの程度の扱いで掲載されているか、もしくは掲載されていないかにも注目してみましょう。
●立地条件、交通アクセス
●周辺環境
●設備、防犯性能
これらの項目はマンションの比較検討をする際に外せないものばかりなので、掲載すらされていないということは考えにくいでしょう。しかし、デザインや演出などであまり大きく掲載されていない場合は、販売側にとって自信がない部分なのかもしれません。
カタログ情報を不動産経営の集客に役立てる
収益物件として新築区分マンションを購入した後には、入居者を募集するプロセスがあります。入居者の募集において、物件の良さをアピールしたい時に役立つのが、購入時に物件を吟味するのに活用したカタログです。
そのカタログにある情報は、そのまま入居者を募集する際の優位性でもあります。そのため、カタログに記載されている通りの優先順位で、物件の魅力をアピールする方法が最も手軽で確実です。
日本人には、新築住宅を好む根強い傾向があります。新築時は入居者を集めやすく、あまり集客に工夫は要らないかもしれません。とはいえ、最初の入居者が退去をした後や、築年数がある程度経過してからは、入居者の募集にも工夫が必要になってくるでしょう。
その際にも新築時に入手したカタログがあれば、募集物件の魅力がうまく整理されているため、その情報を入居者の募集活動に役立てることができます。
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