AI・半導体業界に突如動揺が広がり、世界の株式市場が不安定な動きをみせ始めました。10月15日の東京市場で日経平均株価は3318円34銭(4.90%)安と急落し、歴代3番目の下げ幅を記録しました。引き金は、米新興クラウドサービス、コアウィーブの社債価格の急落です。この数年の世界的な株高をけん引してきたAIインフラ投資が減速に向かうとの警戒感もにわかに台頭しつつあります。
要するに「信用不安」が株式市場に広がったわけです。コアウィーブは、AIデータセンターを他のAI開発企業やクラウド企業に貸し出すビジネスを手掛けていますが、同社の社債が大幅安になり、利回りが15%に達しました。社債急落は近未来、元本返済や金利払いが滞る債務不履行(デフォルト)リスクが高まってきたことを意味します。
AI関連企業は銀行からの巨額借り入れや債券発行などで調達した資金で開発・投資を進めてきました。しかし、投資に見合うほどの利益が出ない場合、債務返済ができなくなるか、それを回避するために投資を抑制するしかありません。楽観シナリオに依存してAI半導体株を買い進めた株式市場には晴天の霹靂と受け止められ、一気にリスクオフの動きに染まりました。
面白いことに今回の株安局面では、国内REITが軒並み買われて大幅高になりました。これまでREITは金利高を背景に一本調子で下げてきましたが、信用不安が広がって金利の上昇ペースが鈍るようであれば、格好の押し目になると投資家には映ったのでしょう。
米国長期金利は現在5%台でなお上昇力を強めていますが、もし米金利の動きが緩和すれば、国内金利も上昇テンポが抑えられる可能性があります。「100年に1度の暴風雨」と呼ばれた米リーマン・ショック時にはその前後で長期金利は半分以下に水準が下がりました。信用不安は金利高にブレーキをかける点でREIT投資や不動産投資にとってはウエルカムな材料といえましょう。
それにしても、日経平均株価は10月に7万台を回復して今年の戻り高値を付けたと思ったら、それから坂道を転げる落ちるように2週間も経たずに64000円台へ6000円(9%)も下げました。ジェットコースターの下げをみているとワンルームマンションの賃料はほんとうに揺るぎませんね。世界の信用不安なんてどこ吹く風――。
資産形成で投資不動産だけというのはお勧めできませんが、世界のリスクを受けやすい株式というハイリスク資産と、外部環境の影響を受けにくいミドルリスクの実物不動産との組み合わせはやはり相性が良いことを物語っています。
【参考記事】https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB150HLTV11C26A0000000/
