東京は広い。エリア区分とそれぞれの特徴

東京は広い。エリア区分とそれぞれの特徴不動産投資

「不動産を買うなら資産価値が下がらない東京23区がよい」という話を聞いたことがあるかもしれません。たしかに一理あります。具体的に購入を考えるにあたっては、23区の中でもさらに細分化してみるとよいでしょう。

東京23区のエリア区分

東京23区のエリア区分には明確なルールがあるわけではありません。不動産会社や金融機関などがそれぞれ独自の区分をしていますが、おおむね3~5エリアにわけるのが一般的です。ここでは次のように分けます。

【都心3区】
港区・千代田区・中央区

【城南・城西地区】
渋谷区・目黒区・世田谷区・品川区・大田区
練馬区・中野区・杉並区・新宿区

【城北・城東地区】
板橋区・豊島区・北区・文京区・足立区・荒川区・台東区
墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区

イメージでいうと、最も洗練されている街は都心3区です。青山や銀座、皇居周辺のような一等地を思い浮かべてもらうとわかりやすいでしょう。庶民的で親しみやすいのは城北・城東地区。城西・城東地区はその中間という位置づけです。

不動産の価格帯は上から順に都心、城南城西、城北城東となります。

不動産価格の違い

実際の不動産価格にどれくらい差が出るか確認してみましょう。次の表は、東京都の「平成31年地価公示 区市町村別用途別平均価格表」から各区の地価の平均を抜粋し、住宅地の価格が高い順に並べたものです。

住宅地商業地区分
千代田区2,688,6006,802,900【都心】
港区1,890,4004,554,000【都心】
中央区1,252,0009,534,500【都心】
渋谷区1,232,0006,599,700【西南】
文京区929,8001,405,100【北東】
目黒区913,3001,696,900【西南】
台東区863,8001,440,300【北東】
品川区802,9001,584,400【西南】
新宿区751,1004,750,900【西南】
世田谷区614,800951,400【西南】
豊島区587,2002,066,000【北東】
中野区571,7001,103,600【西南】
杉並区521,900893,800【西南】
大田区510,300850,000【西南】
北区492,800887,400【北東】
荒川区466,800802,200【北東】
江東区454,700823,500【北東】
墨田区415,500736,600【北東】
板橋区411,800667,700【北東】
練馬区382,000725,600【北東】
江戸川区348,300612,400【北東】
葛飾区311,300493,900【北東】
足立区297,800547,000【北東】

(単位:円/m2

各区分を単純に平均した数値は、都心3区が約194万円、城南・城西が約74万円、城北・城東が約50万円です。都心が飛び抜けて高く、他は山手線が通るエリアを除いて、西から東に行くほど手ごろになります。「西高東低、中心超高」という感じでしょうか。

このようにエリア分けすることで、予算に合わせてどのあたりを狙っていけばいいのか考える際の参考になります。高額のローンを組めないことが予想されるケースでは城北・城東エリアで探す、潤沢な資金がある人はより資産価値の高い都心を狙うなどといった具合です。

人口推移の違い

将来の資産価値がどうなっていくのかも気になるところです。予測するためには人口推移が参考になります。人口の増減は人気のバロメーターでもあるからです。

東京都は区市町村別の将来人口の予測を発表しています。これを見ると、人口の増減も「西高東低、中心超高」の傾向があるようです。2020頃まではほとんどの区で増加しているものの、以降は東側から減少に転じていきます。2040年も増加するとみられるのは都心3区のみです。

現在人気のエリアは、将来も資産価値が下がりにくいということがいえそうです。逆に今の地価と将来人口のランキングとで食い違うところにチャンスがあるかもしれません。例えば過半数が減少に転じている2030年においても増加を維持すると見られている江東区や板橋区は手ごろな城北・城東エリアの位置し、地価のランキングを見ても下位グループに入っています。将来有望な投資になる可能性を秘めています。

データから資産価値を見抜く

不動産の資産価値は、データを見ることで相対的に比較できます。例えば比較的手ごろな城北・城東エリアに位置し、将来人口が増えるとみられるようなエリアには、割安感があります。一方、都心3区はすでに最高位の価格ですが、将来的にも人口が増え続け、資産価値はさらに上がる可能性があります。不動産の購入・売却を検討する際は、このようなデータが参考になります。

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アセットONLINE編集部
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