購入後、価格が落ちにくいマンション 下落するマンション その差はどこにある?

購入後、価格が落ちにくいマンション 下落するマンション その差はどこにある?不動産投資

近年、分譲マンションの資産価値に「管理力」が大きな影響を与えることがフォーカスされています。なかでも特に注目されているのが「修繕積立金」です。これを正しく理解した上で、不動産投資を始めるのが賢明です。

修繕積立金不足は資産価値下落や追加徴収に発展

分譲マンションの資産価値を維持するには、管理力が欠かせません。具体的には以下のような内容です。

  • 日々の清掃など適切な管理が行われている
  • 管理組合が機能している
  • メンテナンスのための修繕積立金を十分ストックしている

現在、「修繕積立金の不足」が社会問題になっています。修繕積立金とは、分譲マンションの共用部分を定期的にメンテナンスするために、各戸のオーナーが毎月積み立てているお金です。共用部分には、外壁やエントランス、貯水槽などがあります。

修繕積立金が重要になるのは、10~15年に一度行われる大規模修繕です。もし修繕積立金が足りなければ、外壁などが傷んでいても大規模修繕が行えません。それによって空き部屋が増えて修繕積立金不足がさらに深刻になり、資産価値が失われていく可能性があります。

修繕積立金不足を補うために一時金を徴収したり、金融機関から借り入れしたりするケースも少なくありません。国土交通省の調査によると、約2割の物件でこういった問題が発生しています。

不動産投資家の中には、「修繕積立金は余計な費用」と考える人もいるかもしれません。しかし、所有するマンションの資産価値を守るための大事な費用なのです。

なお、修繕積立金のチェック方法は、新築マンションと中古マンションでは異なります。以下にそれぞれのポイントをまとめたので参考にしてください。

修繕積立金のチェック方法:新築マンションの場合

新築マンションの場合は、修繕積立金をゼロから貯めていくことになります。ここで注意したいのは、修繕積立金の額は必ずしも一定ではないことです。修繕積立金の額を少なく見せるために、当初数年間は安く設定している物件もあります。その場合は、将来多少の調整が入る可能性が高いです。平均的な金額に設定されている場合は、将来調整される可能性は低いでしょう。

マンションの修繕積立金の相場については、国土交通省から指針が示されています(「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」)。しかし、ビギナーがこの指針をもとに適正額を割り出すのは難しいので、物件を取り扱う不動産会社に「修繕積立金の設定は相場並みか?」と聞いてみることをお勧めします。

スタート時の設定が相場よりも安い場合、将来どれくらい調整があるかをシミュレーションした上で契約するようにしましょう。

修繕積立金のチェック方法:中古マンションの場合

中古物件の場合は、マンションの管理組合に問い合わせるのが確実です。確認したいのは、大規模修繕の予定と修繕積立金のストック状況です。購入予定者ということを明らかにした上で、仲介してくれる不動産会社を経由して情報を求めるのがスムーズでしょう。

情報を求めても、大規模修繕費のストック状況がわからない場合(またはあいまいな場合)は、購入後に修繕積立金の値上げや一時金を求められるリスクがあるので、購入は慎重に検討すべきでしょう。

オーナーは物件購入後も修繕積立金の状況に関心を持つべき

前半で説明した通り、修繕積立金不足の物件は、資産価値が大きく目減りしていく可能性があります。不動産投資家は、購入時だけでなく購入後も修繕積立金のストック状況(保有額は適正か、支払い状況はどうかなど)に関心を持つことが大切です。

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アセットONLINE編集部
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