プライベートクレジットということばを聞いたことがありますか?昨年ぐらいからパラパラ日経紙面に登場し、足元は頻繁に金融市場や投資家をにぎわせています。
通常お金を貸すのは銀行やそれに準ずる金融機関ですが、プレイベートクレジットは投資ファンドなど非金融機関(ノンバンク)が貸し手となります。借り手は大手金融機関から融資を受けにくい中堅中小企業などで、世界の残高は300兆円以上に達するとも言われています。

米国では担保力が乏しく規模の小さいソフトウエア企業が主な融資先でした。ところが生成AI(人工知能)の急速な浸透でソフト型事業ニーズが減少、いまや崖っぷちに立たされているのです。
融資が焦げ付かないうちに資金を引き揚げようーー。昨年から米国ではこうした解約が増えており、ファンド側は対応に苦慮してなんと解約制限に踏み切りました。まあ、 日本史の教科書を思い出してください。大正時代の取り付け騒ぎと同じで「モラトリアム」みたいなものです。
そんな状況下で、日本では逆に公募投資信託が急拡大し、残高は2月末時点で約7500億円と、1年間で2.5倍になったのです。日本で動揺が広がっていないのは奇妙なことです。いたずらに危機感をあおるわけではないですが、米国の実情が日本の個人投資家にきちんと伝わっているのか疑問です。
プライベートクレジット投信をちょっと調べてみたところ仰天。直近6カ月の運用成績がなんと17%(年率)でした。(格付けの低い)ジャンク債で運用する投信(14%)を上回る好パフォーマンスです。まさに超ハイリスク・ハイリターン!
さてさて、ここで不動産投資と比べてみましょうか。アセットリード社ではクラウドファンディング型不動産投資に力を入れていますが、どれぐらいの運用利回りでしょうか?たしか、4~5%の物件が多かったと記憶しています。
低いですね。でもこれは仕組み上、実質元利が保証されているのですよ?
現在、米国債(10年)で4%台半ば。日本国債は2%台半ばです。米国債は為替変動リスクがあるので4%台半ばだとやや低い印象も受けます。
さらに国内債券で運用する投信だと運用利回りはマイナス4~6%。金利が上昇局面にあるときは債券には魅力がなく元本を割ってしまうのです。
今の金利系商品はリターンが大きければ当然リスクも大きくなるのですが、リスクが小さい債券でも損失が発生する厄介な状況に置かれています。
その中でクラウドファンディングの4~5%というのは正直ありえない魅力をもっていますよね。私も投資物件はあるのですが、クラウドファンディングの募集時にはできるだけ目いっぱい資金を追加投入することにしています。
【参考記事】https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1348R0T10C26A4000000/
著者・監修者プロフィール

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日本経済新聞社 コンテンツプロデューサ-兼アセットリード物件オーナー
●1989 年入社、証券部配属。東証や日銀、NY駐在など主に金融・資本市場担当。
BSテレビ東京「日経モーニングプラスFT」、日経CNBC「昼エクスプレス」コメンテーター
テレビ解説のほか日経電子版開発、コラム執筆など「話す」「創る」「書く」の三刀流をこなす。
CFP®、1種証券外務員、シニアプライベートバンカー、宅地建物取引士。
●奈良出身。趣味は世界遺産巡り(現在43カ国・地域歴訪)、大型バイク、ドローン、ゲーム、競馬
●最新刊「50 代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(日経出版社)など著書多数。




