2025年国勢調査による日本総人口
今回は不動産所有におけるリスク要因を取り上げます。2025年国勢調査(速報)で、日本の総人口が5年前から309万6575人(2.5%)減り、1億2304万9524人だったことがわかりました。減少幅は過去最大です。横浜、広島は戦後初の減少で、20の政令指定都市のうち13市で減りました。首都圏でも埼玉、千葉、神奈川の3県が減少に転じました。我々不動産オーナーはこの重い事実をどう消化すべきでしょうか?

前回20年の調査から人口が増えたのは東京、沖縄の2都県のみで、45道府県が減少しました。千葉、埼玉は1920年の調査開始以降で初めて減少、そして神奈川と愛知は戦後初のマイナスとなりました。
東京が増えたといっても1.4%増とわずか。沖縄は0.1%でほぼ横ばい。図表を掲載しておきますが、みなさんの住む街、ご実家はいかがでしょうか?
国勢調査を受けた各地の紙面状況
日経電子版は地方のニュースもすべて伝える真の全国紙なのですが、地経面でもご覧のとおり大騒ぎ。秋田県の「全国ワースト」、北海道「70年ぶり500万人割れ」、静岡県「数・率とも戦後最大」・・・・・・どこもかしこも記録的なネガティブニュースの見出しが躍っています。
総務省は「(出生を死亡が上回る)自然減の影響が非常に大きい」と分析しています。民間試算では日本の人口は毎年100万人減るとみています。30年一世代とすると次の世代では人口8000万人台まで減る可能性が高くなります。上下水道などのインフラ劣化や学校、病院、治安などの行政サービス縮小などが避けられず、市町村消滅も当然、日常的な事態になりそうです。
一方、人口が流れ込む形で一極集中が鮮明になる東京都心部では住宅価格の高騰が顕著です。子育て世帯が家をあきらめて流出するなど住まい難民が増える皮肉な現象も生じています。
景気変動による不動産価格への影響は一過性ですが、人口減は半永久的に止まらない構造要因です。対策を打っても次の世代に反映されるまで30年以上かかるわけですから。
居住用不動産をどうするか、投資物件としての不動産はどうなるのか? アセットリード社など全国の不動産事業者はどう向き合うべきか。
【国勢調査を受けた各地の紙面状況】
■北海道70年ぶり500万人割れ 25年国勢調査、減少数・率最大に
■東北の人口、6.2%減の808万人 秋田県の減少率は全国ワースト
■進む東京一極集中、埼玉・千葉・神奈川が人口減に 25年国勢調査
■北陸の人口、4.5%減280万人 富山は78年ぶり100万人割れ
■25年人口、新潟は減少率が過去最大 長野は55年ぶり200万人割れ
■静岡県人口、45年ぶり350万人割れ 減少数・減少率とも戦後最大
■愛知の人口、戦後初の減少に 三河地域で落ち込み
■関西の人口5年で2.1%減少、転入超過多い大阪市は増加 25年国勢調査
■広島市の人口減少数が全市町村5位、呉12位・福山15位 国勢調査
■四国4県の人口349万人、全県で減少幅が拡大 25年国勢調査
■福岡市の人口増加率、政令市首位 「人工島タワマン」や再開発が吸引
もうひとつのポイント「世帯動態」
手前みそではないですが、今回日経電子版にも出ていない重要ファクトを見つけました。世帯動態です。当コーナーで初めてお伝えするので読者の方だけがスクープを目にすることになりますね。少しだけ喜んでいただけると幸いです。
まず全国世帯数は5712万と5年前比で129万(2.3%)増加しました。世帯数が増えた都道府県は全体の7割近い32。東京は5%も増加しました。
人口とはまるで違った景色ですね。ということは・・・そう、1世帯当たり人数が極端に減っているんです。なんと全国平均が2.1人。東京に至っては過去最少の1.8人!
つまり、東京は確実に半分以上の世帯が独り暮らしということを物語っています。
さて、われわれ投資物件を扱うプレーヤーにはだいぶ大きな安心材料になったのではないでしょうか?
他方で供給量は著しくひっ迫しています。私がアセットリードの物件を購入する頃は、2015〜2017年頃のデータを見ました。当時は年間7000~9000戸程度で安定していましたが、なんと直近2024年、2025年では年間3500〜4000戸までおよそ半分に減っています。
とある中堅不動産デベロッパーの経営者にうかがったのですが、仕入れが困難になっているとのこと。昔は23区かその周辺に結構掘り起こせたのがいまはほとんど土地が出てこないらしいです。
この状況から不動産市場は、人口激減という価格押し下げの力と、世帯数増加という価格押し上げのベクトルが併存する局面だといえます。
さあ、どう解を導きますか?
ワンルームマンションの2つの新・需要
私は東京都国分寺市の戸建てに住んでいます。建売りで2000年に購入しましたから今年で27年目です。じつは昨年、お隣のご婦人が家を売って引っ越されました。80歳近くだったと思います。旦那さんがなくなり、おひとりで住んでおられましたが、「庭や住宅のメンテナンス、駅への往復が大変になった」というのが理由です。いまは駅近くのコンパクトなマンションにお住まいです。
高齢化に伴い、戸建て住宅を切り盛りするのが大変というのもありますが、そもそも夫婦二人、そしてやがて別れがきて「おひとりさま」になります。結婚していなくても「おひとりさま激増」時代が到来するわけです。
一人住まいに3部屋も4部屋もいりません。望まれるのがコンパクトな住宅。荷物は邪魔なので断捨離して、家賃も安いワンルームマンションへ拠点を移そうとする需要が高まるわけです。私はこうした高齢化による少人数世帯増加をセル化とよんでいます。細胞分裂でしょ? ちなみに我が家は4人家族でしたが、息子が結婚していまは別居しています。娘は親との同居を嫌って(!)独り暮らしをしています。結局1世帯4人⇒3世帯6人に分裂しました。納得がいくでしょう。

もう1つの需要が外国人です。消滅に向かう国、日本を救えるのが外国人・移民のみです。在留外国人はまだ少ないですがそれでも近年はぐんぐん増えています。

外国人数はもちろん東京がトップで、大阪府、愛知県、神奈川県と大都市圏での増加が顕著です。
みなさんがいちばん気になるのは「どこの国からきている?」ですよね? はい、首位は断トツで中国です。5分の1以上を占めます。・・・え? なんだかボヤキが聞こえてきましたが空耳かしら。

じつは詳しくは記載しませんが私も中国人と中国系不動産仲介業者に騙されました。実家の不動産の件でいざこざがあり、契約を交わしたあと1日前に無断キャンセルされました。弁護士に相談しましたが、コトを大きくしても中国人相手だし、コストと時間がかかって損だからあきらめようということになりました。中国人全員がそうではないのはもちろんわかっていますが、「前科」があるだけに警戒しています。
次いでちょっとびっくりですが、ベトナム。日本でスキルを身につけ、いろいろなジャンルで就労しているようです。日本の生産人口減少を埋める重要なリソースで、大切に育みたいです。
さて、外国人も多くが家族帯同で永住、というよりは若手中心に日本で仮住まいするケースが大半です。求めるのは広いマンションや戸建てではなく、ワンルームです。 都心部では外国人のコンパクト住まいへの需要がさらに拡大するでしょう。
台湾有事が与える影響
2027年にも中国が台湾侵攻というシナリオが有力視されています。本当かどうかはもちろん神のみぞ知る、ですがじつは日本の不動産市場に劇的な影響を与えると私は確信しています。こんなことを言っているのは私だけですけどね。
世界最大の半導体受託製造会社、台湾TSMCが九州に相次いで工場を設置します。なぜか?言わずもがな侵攻に備えるためです。どこかのシンクタンクや軍事専門家のテキトーな予想と違い企業は膨大な収益を左右するので、もっとも「現実的な対応」をとります。そのもっとも現実的対策こそが日本での製造拠点増設であるわけです。
これが何を意味するか?
台湾人民の日本シフトです。私の憶測にすぎませんが台湾有事のあと、台湾人民2300万人のうち、2割に相当する500万人が海外に離散・流出。その6割程度である300万人は日本に来るのではないかと考えています。広島県や京都府が200万人台なので巨大な都道府県1個分の人口流入に相当します。
私は占い師ではないし、報道に40年近く携わった元記者なので、すべて定量的に考えるタイプです。中国に香港が返還された後、1997年までに全人口の15%(100万人)がマレーシアなどに移住したと言われています。台湾にあてはめると350万人です。
直近ではウクライナへのロシア侵攻が最高のデータですね。欧州中心に国外避難民は500万人とも700万人にのぼるともいわれており、やはり全人口の1~2割前後に達しています。台湾にあてはめると230~460万人です。
台湾はTSMCにみられるようにビジネスパーソンが多いため、日本を選好する傾向が強いかもしれません。所得水準や教育水準が高いことから海外適応力も高いうえ、日本は地理的・文化的に近く、親日的な人が多いことも周知の事実です。
そのとき、どうなるか?移動にはコストもかかりますから、いきなり戸建て住宅というのはありえないでしょう。まずは賃貸マンションへ、という流れになりますよね。
台湾有事が起これば世界中の景気が急激に失速するのは目に見ています。特に対中国で過去に前例のない経済制裁が発動されるでしょう。この結果、日本の景気もがたがたになり、株価は大暴落必須です。しかし、日本経済新聞の中国専門家によると「中国は返り血を浴びることをいとわない国」だそうです。
人口動態から始まって未来予測まで長々と展開しましたが、投資不動産の未来へのヒントがみつかれば幸いです。
【参考記事】https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA266900W6A520C2000000/
