2019.6.3
不動産投資

不動産経営上のマーケティング調査

(画像=ESB Professional/Shutterstock.com)
(画像=ESB Professional/Shutterstock.com)
賃貸経営を始めるにあたって、購入物件やこれから建築しようとする物件の場所、周辺地域、入居者のニーズ、そしてマクロ経済の状況などについて下調べをする必要があります。マーケティングといえば、企業が行うものとイメージしている人もいるかもしれません。しかし、賃貸経営を行うわけですから、オーナーは立派な企業経営者なのです。したがって、賃貸経営を成功させるためには、ある程度のマーケティングの知識が必要になります。

プランづくりの前提となるターゲット像も漠然としたものではなく、入居者のペルソナ(想定入所者の年齢、性別、どのような会社に勤務しているか、趣味はなにかなど)をきちんと把握したうえでイメージすることが大切です。

人口や世帯数、賃貸市場などのマクロ経済

最初に行う必要のあるマーケティング調査は主に次の3つです。

・人口動態
・地域マーケットの基本情報
・地域周辺状況など、ミクロ立地の把握

・人口動態
所有検討物件の街に住む人の年齢、性別、所得階層別地域人口、世帯構成、流失入の状況などに関して、過去10年程度の推移を調べ、もし可能なら今後の動態予想も調査します。

・地域マーケットの基本情報
周辺の賃貸物件の数や新築・中古物件の賃料、空き家件数、平均賃料と初期費用(敷金・礼金)などの相場などを調査します。また、「これから新築マンションやアパートが建つか」「学校、工場などの現況と移転計画などがあるか」といった点も重要なポイントです。基本的には、インターネットを使って調べることができます。しかし、もし不明な点があれば地元の不動産会社に尋ねてみるのもおすすめです。

・地域周辺状況などミクロ立地の把握
駅からのアクセス状況や公共交通機関の有無、新築の建築を想定する場合は「用途地域(1種、2種住居地域、住居地域、商業地域、準工業地域かなど)」「高度地域」「道路斜線」「北側斜線」など制限条項の確認や、ハザードマップによる万が一の避難場所の把握、避難経路の確認も行いましょう。さらに、医療機関や、コンビニ、スーパーなどの生活面での充実度を調査していきます。

一度物件を購入すると、5~20年程度は管理運営することが大半でしょう。中長期に安定した賃貸経営を続けられるかどうかを見極めるために、上記の3つは特に重要です。総務省のデータによると日本の人口は、2004年12月の1億2,784万人をピークに減少傾向となっています。2030年が1億1,522万人、2050年には9,515万人と、今後人口減少の拍車がかかることが予測されているのです。

しかし、そこには地域差が出てくることは確実です。「物件購入する地域の将来人口動態がどう変化していくか」は確実に把握しましょう。また、選定した街が一定の賃貸需要があると見込んだ場合、「そこにどのようなニーズがあるのか」について、より細かな内容の確認が必要になります。年齢層に応じた広さや間取り、なにが必須の設備なのかなどを把握することが大切です。

入居者のペルソナ設定

ハウスメーカーなどが施工を始める前には、マーケティング調査を行うのが通例です。その会社が提携しているマーケティング会社のデータベースを使う場合もあります。また、大手ハウスメーカーでは、系列の不動産賃貸会社や管理会社を所有しているため、そこが持っているデータから街の様子が把握できるでしょう。

ここで注意すべき点は、専門家に調査を依頼すれば、だいたい同じ結果になると思いがちですが、各社から提案されるものはそれぞれに異なります。「データ解析能力」「自社商品と結びつけた解釈の仕方」などで大きく異なってくるのです。また、ハウスメーカーなどによっては関連会社である賃貸会社などからの紹介で、法人契約などが取れるケースもあります。

複数の会社から提案されたプランを吟味する能力もオーナーには求められるということです。したがって、賃貸事業の経営者として最低限の周辺のマーケット分析を行い、入居者像をイメージしておくことが重要になります。地域の特性を把握したうえで他ターゲットの絞り込み、周辺相場から家賃相場を導き出すという流れが肝といえるでしょう。例えば、下記のようなより具体的なペルソナの設定を行ってみましょう。

・大手町に勤務する20代独身男性会社員
・年収400万~500万円
・趣味はテレビゲーム
・スポーツジムに週1回通う
・ネットから精力的に政治経済情報を入手する

ペルソナの設定をしっかりと行うことで、かなり絞った入居者プロファイルが想定できます。さらに、絞り込みを行った入居者が必要としている設備(インターネット接続、宅配ボックス、監視カメラなど)はなにかを考察し、周辺相場から適正家賃を導き出すのが一連の流れです。このように、単にシングル層、ファミリー層向けといった大雑把な把握ではなく、具体的な入居者イメージを想定したうえで、物件選定や家賃を決定するなどが賃貸経営にとっては大切なポイントになるでしょう。

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