2019.2.4
不動産投資

海外不動産投資の可能性「日本がダメだから外国へ」は正しいか?

(写真=StanislauV/Shutterstock.com)
(写真=StanislauV/Shutterstock.com)
少子高齢化が進む日本。このままでは賃貸市場の未来も暗いのでは?と考える人もいるかもしれません。そういう人は「海外不動産投資」という言葉に惹かれるかもしれません。ものすごく儲かりそうなイメージがある反面、情報が少ない分、少し怪しい感じすらするこの言葉。はたして普通のサラリーマンが行う投資として適しているのでしょうか。

価格上昇の波に乗れば吉

海外不動産投資の現状を知るために、一般財団法人日本不動産研究所の「国際不動産価格賃料指数」を見てみます。2018年10月発表分によると、半年前の前回調査と比較したマンション価格の変動率は東京が0.5%、香港が6.8%、バンコク3.0%。アジアの主要都市における不動産価格は軒並み上昇傾向にあります。中長期で見た上昇スピードも東京に比べて急なところが多く、北京にいたっては2016年に賃料指数を価格指数が追い抜いています。

売却益狙いの投資家が参入することによって価格が高騰し、利回りが下がっていることが想像できます。もし価格の上昇がまだまだ続くのであれば、これらの地域の不動産を買っておくと売却益が得られるかもしれません。

一般の投資家には馴染みがないかもしれませんが、ランドバンキングという投資法もあります。何もない原野の土地を買い、都市として開発されるのを待つ手法です。すると買った価格の何倍、何十倍という値段で売れることがあります。

今の日本に未開の地などありません。ランドバンキングで大穴を狙いたい人は、必然的に海外ですることになります。一攫千金の夢を託すなら、海外不動産投資が選択肢のひとつになるでしょう。

不動産ではなく苦労を買うハメになることも

ただし海外に不動産を買うとなると、一筋縄ではいきません。国によりますが、外国人が土地や建物を買うことは規制されているのが一般的です。

例えばタイでは外国人が過半数の株式を持っている会社が土地を買うことはできません。建物は基本的に自由に持てますが、集合住宅の1棟買いは不可、全居室をあわせた床面積の49%以上を持つことはできないのです。

フィリピンには外国人投資家が持てる不動産は建物の40%のみという規制があります。ベトナムでも集合住宅1棟あたり30%まで、中古の売買は基本的に認められていません。日本のように誰でも土地や建物を買える国ばかりではないのです。

また、最大の難関はローンです。対応できる日本の金融機関はごく少なく、現地でローンを組むことも審査や手続きの点で非常に難しいことになります。

長期ローンほど一回あたりの支払い額を抑えることはできませんが、分割払いの方法として「プレビルド」があります。工事の進行に合わせてお金を払うのですが、大きなリスクが伴います。職人がいなくなった、予算が足りなくなったなどの理由で、建物が完成しないことがあるのです。その場合でも払ったお金は帰ってきません。日本の常識は通じないと考えたほうがよさそうです。

海外不動産投資は、現金をたくさん持っている人が、人脈と時間を使って行うものと考えておいたほうがよさそうです。現地視察ツアーやセミナーなどを開催している会社もありますが、よほど信頼できるコーディネーターがいて、その国に投資したい理由がなければ、苦労に見合った成果を得るのは難しいケースもあります。

世界の中でも有望な地域は?

成長著しいアジアの国々は、不動産の利回りも高いのではないかと予想されたかもしれません。しかし前述の「国際不動産価格賃料指数」を見るかぎり、価格の伸びに賃料の上昇が追いついていないのが現状です。

国際間における不動産の利回りを比較するためには、国債の金利のように現地で買えるほとんどリスクのない投資の利回りを差し引いて考えなければなりません。

この不動産利回りと国債金利の差をイールドギャップといい、日本は諸外国に比べて高い傾向にあります。このことを表す一例として、REIT(不動産投資信託)の数値を比較してみましょう。日興アセットマネジメントの「アジアREITオープン(毎月分配型)」目論見書における『アジアのリートの分配金利回り』から計算した各国のイールドギャップはシンガポールが3.5%、マレーシアが0.9%、香港が1.7%、米国が1.3%。グローバルが2.9%。日本は4%と、世界的と比べても高利回りの国なのです。

特に東京は人口が増加し続けている世界的な商業の中心都市で、観光需要もある、とても有望なエリアです。低リスクかつ高利回りで将来性ある物件は、実は身近にあるのです。

遠くの高リスク物件より近くの高利回り物件を

海外不動産投資は大きな売却益というロマンを追うにはいいかもしれませんが、実際に個人レベルでやるとしたらかなりの苦労が見込まれます。インカムゲインを狙ったとしても、利回りはそれほど高くありません。無理をして海外に目を向けるより、将来性があって言葉も通じる、日本の都市部に注目してみることをおすすめします。

【オススメ記事】
不動産投資をスタートする「理想の年齢」を定義する
不動産投資における成功の秘訣。管理会社次第で大きな差が生まれる
不動産投資の入居率賃料などの格差が広がっている
不動産投資と他の資産運用の利回りを比較!
不動産投資の最大リスクを徹底的に考える
PREV 不動産投資の「勝った」「負けた」はいつわかる?
NEXT はじめての不動産投資。今、必要なのは「融資」に強いパートナー

関連記事Related Stories