2018.12.27
不動産投資

不動産活用のための法人設立 株式会社か合同会社か一般社団法人か

(写真=welcomia/Shutterstock.com)
(写真=welcomia/Shutterstock.com)
不動産投資を成功させるためには、税金のことをしっかり考えることが必要です。まず、物件の所有形態、すなわち「個人所有なのか」「法人所有なのか」でかかる税金が変わってきます。個人所有の場合は、所得税の不動産所得、法人所有の場合は法人税がかかります。そのほかに住民税や法人住民税もかかります。

法人で所有するメリット

所有する不動産の規模によって異なりますが、ある一定規模以上の場合、物件を法人所有にした方がさまざまなメリットを受けることができます。まず、税率の違いが挙げられます。不動産投資に規模においては、通常は以下の税率を覚えておくとよいでしょう。

・資本金1億円以下の中小法人で年間所得金額800万円以下 15%(軽減税率)
・資本金1億円以下の中小法人で年間所得金額800万円を超えた部分 23.4%

法人税の税率は徐々に下がってきています。ただし、2019年4月以降の中小法人(年間所得800万円以下)の税率は本則税率の19%にもどることが予定されています。さらに、前に述べた通り、法人住民税が別途かかってきますので、それも含めた実効税率で考えることが必要です。2018年現在の法人に対する実効税率は約23.2%(東京都 所得金額400万円超800万円以下)となっています。

一方、所得税率は累進課税です。所得金額が大きくなるに従い、税率も階段状に上がっていきます。例えば、所得金額が695万円超900万円以下では23%となりますが、900万円超1,800万円以下は33%と一気に上がります。この比較によると所得金額約900万円程度が個人所有か法人所有かの選択の境目と考えられます。
 2018年時点での税率(国税庁HPより)

まず、法人税には、会計と異なり、益金と損金という概念があります。益金とは、収益のこと、損金とは費用のことと大雑把に捉えてください。法人化するメリットは、個人事業主よりも法人の方が経費と認められる範囲が広いからです。

例えば、下記のような内容が考えられます。
・役員や従業員に決算賞与を支払う
・法人保険などを活用することで損金計上をしながら万が一に備える
・減価償却費は、什器備品に関しては、早期償却が可能な定率法が採用できる
・小規模企業共済や中退共を使って老後の資金を損金で落とすことができる

また、経営者が死亡したときに受け取る死亡退職金には相続人1人当たり500万円の非課税枠が設けられています。このように事前に所得の分散効果を上手に使うことによって、相続税対策や、納税資金の確保にもつながるのです。

法人で持つ場合の形態と設立費用

では、不動産物件を法人で所有する形態として、どのような方法があるでしょうか。一般的には株式会社で所有するケースが多いですが、最近は合同会社で所有するケースも多くなってきました。
まず、それぞれの形態で、かかる設立費用について見てみましょう。

【1】株式会社

設立時の登録免許税 資本金x0.7% 最低15万円
定款認証 約5万2千円
合計 約20万2千円

【2】合同会社

設立時の登録免許税 最低6万円
定款認証 無料
合計 6万円

【3】一般社団法人

設立時の登録免許税 最低6万円
定款認証 5万円
合計 11万円

安い順に並べると、合同会社<一般社団法人<株式会社となります。

一般社団法人を使うメリット

設立費用としては、11万円かかる一般社団法人ですが、最近はこの形態で不動産管理会社を設立するケースも見られるようになりました。その理由は、相続税対策として使うことができるからです。

一例で見てみましょう。家賃の積み上がりが順調で、利益が蓄積されてくると当然会社の株価も上がります。その場合、相続時に個人株主の相続財産に「自社株式の評価」が加わりますので、相続税がアップする要因となります。そこで、一般社団法人を活用するのです。

社団法人といえば、「公的な事業にしか使えない」というイメージがあるかもしれません。しかし、2008年の法改正により、社団法人は「公益社団法人」と「一般社団法人」に分かれました。
一般社団法人は、特に事業の制限もなく行政庁の認可も不要です。社員2人以上かつ、そのうち理事1人がいれば設立可能となりました。税金は一般企業と同じ法人税となります。そして、一般社団法人を使う最大のメリットは、設立形態が人の集まりのため、株式といった概念がないことです。その意味することは相続時に自社株式の評価がないために、相続時に頭を悩ます必要がない点が最大のメリットといえるでしょう。

一般社団法人の形態で不動産管理会社を運営する方法も、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
 

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