2019.7.29
マーケット情報

東京オリンピック後の不動産市況を大胆予想

(画像=Roman Babakin/Shutterstock.com)
(画像=Roman Babakin/Shutterstock.com)
東京オリンピックの開催が来年に迫ってきました。インターネットからの各競技の事前申し込みを済ませ、抽選結果に一喜一憂しているという人も多いかもしれません。

また、オリンピック終了後の経済状況が気になる人も多いのではないでしょうか。オリンピック景気が終わって、不動産価格も暴落するのではないかという声も聞かれます。様々な要因を探りながら、大胆に予想してみましょう

マクロ経済から見た不動産価格

言うまでもなく、不動産価格はマクロ経済の影響を大きく受けます。では、それを事前に予測することはできるのでしょうか。

その一つとして、株価との相関性を見る方法があります。経済学の教科書にもあるように、株価は経済の先行指標、不動産価格は遅行指標と言われています。

これを踏まえて株価の動向を見ていくと、不動産価格の動きを推測することができます。
 
このグラフから見て取れるのは、不動産価格は株価のように小刻みに動くのではなく、大きなトレンドを描く、また商業地がマクロ経済の影響を大きく受けるということです。

IMF(国際通過基金)の世界経済予想の修正版によると、米中貿易摩擦の影響が今後の世界経済のネガティブ・インパクトとなる可能性が大きいといいます。

金利が大きく影響する

また、地価を予想する上では金利の動向も考慮しなくてはなりません。特に長期金利は、不動産価格に大きな影響を与えます。

例えば、J-REITは金融機関から借入によって物件を取得し、その賃料を投資家へ配当していきます。したがって、金利上昇はJ-REITにも大きな影響を与えます。

個人の住宅も同様で、住宅ローンの金利が上昇すれば、購入意欲に直接ネガティブな影響を与えます。

このように、不動産価格を考える上で金利動向を把握することは必須なのです。

短期的な動きは

今年に入り、不動産価格の潮目はすでに変化しています。金融機関のサラリーマン向け不動産投資は、一連の「かぼちゃの馬車」問題の影響で金融庁による融資の締め付けが厳しくなり、ある程度の頭金が用意できないと投資物件を購入できなくなっています。

一方で富裕層は年々確実に増えており、相続が発生する前に現金を不動産に変えることで相続税の評価額を減らす節税対策は、ますます一般的になっています。

都心の物件は価格が高止まりしているため、首都圏郊外や地方物件などで少しでも高い利回りが取れる物件を購入する動きも続いています。

また、資金力のある外資系ファンドなどは、都心の一等地にターゲットを絞り、商業ビルへの投資を続けています。商業ビルは空室率が低く、オフィスレイアウトの柔軟性や耐震性の高い新しい物件への移転需要も旺盛なので、低い利回りでもファンドは活発に投資を行っています。

居住用マンション価格も高止まりしています。オリンピック前後にピークをつけて下がり始めたとしても、それを待っていた潜在層が購入に走ると見られています。

不動産市況に影響を及ぼす変化

しかし今後、不動産需要は減少するとも言われています。そこで重要なことは、視点をどの程度先に置くかです。5年先か10年先か、もっと長期で30年先を見るかで戦略は変わってきます。

1    日本の人口動態

不動産価格に最も影響を与えるのが、人口動態です。首都圏に限って見ると、2025年までは増加し、その後減少に転じますが、下げ幅は6%と予測されています。

毎日の通勤を考えても、これだけ交通網が整備されているにもかかわらず、電車やバスの混雑はあまり変わっていないように思えます。しかし、ここで考えるべきは年代別の人口構成です。新たに不動産を購入、もしくは賃貸する層は20~50歳までが9割と言われています。

2025年の首都圏の年代別人口は、団塊ジュニア世代が50~54歳になり、住宅需要の牽引役となる年代から外れてきます。

したがって、年齢層から見た不動産需要は、急激ではなく今後10年でじわじわと減っていく可能性が高いです。

総人口という視点では、人口減少はすでに始まっているため、長期的には確実に需要は減少するでしょう。特に下げ幅は地方で顕著であり、首都圏であっても都下や23区の足立区、世田谷区でさえも需要減少が見込まれています。

さらに、人口が減少する時は当然、全国で一律に減少するわけではなく、都心部への一極集中がより鮮明になる可能性もあります。都心部への需要は高く推移し、郊外の需要が減少していくことが予想されます。

2    訪日外国人の減少

国土交通省観光庁によると、2013年の訪日観光客数は1,000万人を超え、2018年には3,119万人まで増えました。この流れはあまり変わらず、今後も訪日観光客は年々増加していくでしょう。訪日客数は為替相場よって大きく変わります。今後も円安傾向が続けばより一層増加が見込めるので、不動産価格は下がりにくくなります。

3    管理不全のマンションの増加

少子高齢化に伴い、マンションの建物自体も高齢化していきます。それによって、管理体制の不十分なマンションが増加することは間違いないでしょう。

この問題に対応するためには、国土交通省が中心となって、きちんと法整備を行う必要があるでしょう。しかし、これは「日本のマンションは、建て替えも含めて今後どのように対処すべきか」という長期的かつ壮大なテーマでもあるので、短期的な不動産価格の変動要因とは切り離して考えるべき問題かもしれません。

まとめ

今後、立地による不動産価値の格差はますます顕著になっていくでしょう。ここで考える必要があるのは、所有不動産を価値ある不動産に替えていくことであり、これを「不動産ポートフォリオのリバランス」と言います。不動産を所有する人は、いち早く情報をキャッチしつつ、専門家に相談しながら価値ある不動産に組み換えていくことが重要です。

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