2020.7.1
資産運用

世界的な株下落でも安定感を見せる金融商品「インフラファンド」とは?

(画像=PIXTA)
(画像=PIXTA)
新型コロナウイルスの感染拡大であらゆる株式・REIT(不動産投資信託)が大きく下落したなか、安定的な強さを見せた「インフラファンド」をご存じでしょうか。2020年4月27日からは東京証券取引所によりインフラファンド指数が算出されるなど注目が高まっています。そこで本記事ではインフラファンドの強さの秘密を探ります。

インフラファンドとは?

インフラファンドとは、REITに似た仕組みの金融商品です。REITは複数の不動産に投資し、そこから得た賃料収入を投資家に分配しています。一方インフラファンドは、主に太陽光発電施設に投資して、そこから得た売電収入を投資家に分配するのが特徴です。2020年2月21日時点で東京証券取引所には以下7銘柄のインフラファンドが上場し、上場株式と同じように取引時間中の売買ができます。

<インフラファンド一覧>
銘柄 証券コード 価格 分配金
利回り
決算月
タカラレーベン・インフラ投資法人 9281 11万4,800円 5.93% 5月末・11月末
いちごグリーンインフラ投資法人 9282 6万1,700円 5.80% 6月末
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人 9283 10万1,400円 6.31% 1月末・7月末
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 9284 11万7,000円 6.32% 6月末・12月末
東京インフラ・エネルギー投資法人 9285 10万4,100円 6.53% 6月末・12月末
エネクス・インフラ投資法人 9286 9万5,100円 6.31% 11月末
ジャパン・インフラファンド投資法人 9287 9万6,000円 6.06% 5月末・11月末
※価格と分配金利回りは2020年6月12日時点

インフラファンドの値動きはなぜ安定しているか?

インフラファンドも株式と同じように価格は変動します。しかし企業の株価ほど激しく動くことはなく、静かな価格変動が特徴です。例えば、2020年2月中旬~3月にかけて新型コロナウイルス感染症拡大により相場が暴落した際、日経平均は一時的に30%ほど落ち込みましたが、インフラファンドは13~17%程度の落ち込みで踏みとどまっていました。

インフラファンドの値動きがゆるやかな理由は、インフラファンドの収入が非常に安定しているからです。インフラファンドの売電価格は、2012年7月から始まったFIT(固定価格買取制度)によって保証されています。FITは、再生可能エネルギーの導入拡大を促すために国が設けた制度で、市場環境にかかわらず一定の価格で電力を買い取ってもらえる契約です。

太陽光発電施設の発電量は、天候によって多少左右されるものの年間でならすとおおむね想定通りの発電が期待できます。しかも販売する電力の価格が固定されているために、インフラファンドの収入は安定しているのです。収入がほぼ確定しているため、年に1~2回実施される分配金についても予想から大きくずれることがありません。

例えば、いちごグリーンインフラ投資法人<9282>のように、2026年までの分配金予想利回りを公表しているファンドがあることからも収益の高い安定性がよく分かります。値動きに一喜一憂することなく「高利回りの分配金を安定して得たい」という投資家にとって、インフラファンドは適した商品といえるでしょう。

インフラファンド指数が公表され、ETF発売の期待も

インフラファンドの上場が増えたことに伴い、2020年4月27日からインフラファンド市場全体の動向を示す「東証インフラファンド指数」の公表が始まりました。指数の公表開始により、インフラファンドへの注目もますます高まっていく可能性があります。これをきっかけにインフラファンド指数に連動するETF(上場投資信託)が証券会社から発売されることになれば、機関投資家が売買することも期待できるでしょう。

インフラファンド市場全体の活性化や株価の上昇、上場するファンドの増加など市場の盛り上がっていく可能性があります。

インフラファンドの注意点は?

安定した収入源があるため、投資先として問題がないように見えるインフラファンドですが、注意点もあります。まず昨今の自然災害の多さです。インフラファンドの持つ太陽光発電施設は損害保険に入ってはいますが、大規模な被害を受ければ発電量が大幅に減る可能性も考えられます。また「発電のしすぎ」も懸念事項の一つです。

好天が続き発電量が増えてもその地域の電力需要が低いときには、電力会社が「出力制御」を実施することがあります。つまり「これ以上買い取れません」と断られてしまう可能性があるということです。出力制御が行われると売電収入の減少につながり、結果としてインフラファンドの分配金も下がってしまいます。

また、国によるFIT(固定価格買取制度)は「発電開始から20年間」の契約です。つまり20年が過ぎた施設から固定価格での売電は終わり、市場価格での売電になってしまいます。そのときに市場競争の原理が働き、売電価格が低下する可能性は高いといえるでしょう。

情報収集しながら投資を

安定的な分配金収入が確保でき、株価変動の心配も少ない点が魅力のインフラファンドですが、将来的にどうなるかは未知数です。政策やエネルギー問題を横目でにらみつつ、将来の動きを見据えながら投資を検討するべきでしょう。

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