2019.7.1
資産運用

ヴィンテージ・マンションは投資対象になるか

(写真=Wondervisuals/Shutterstock.com)
(写真=Wondervisuals/Shutterstock.com)
不動産業界では東京中心3区の頭文字をとって、CMC(千代田区、港区、中央区)と呼びますが、さらに渋谷区を加えた4つの区に建つ、居住することにステータスを感じる物件をヴィンテージ・マンションと呼びます。

2016年5月に株式会社東京カンテイが調査した、「ヴィンテージ・マンション&プレミアム・マンション 2016」によると、ヴィンテージ・マンションの特徴は、

① 築10年以上経過している
② 中古流通事例の90%以上の坪単価が300万円以上
③ 立地の用途地域が住宅系(≒住居系用途地域)
④ 物件の専有面積が100㎡以上(場合によっては90㎡以上)

といったフィルターで物件選定が行われています。

それによりますと、対象物件は、港区15物件、渋谷区6物件、千代田区6物件で、最高平均価格は、千代田区三番町にあります「三番町パークテラス桜苑」の988万円と坪1,000万円に届きそうな価格帯です。(2015年12月時点)

このようなヴィンテージ・マンションが、マンション投資の対象になった場合、表面利回りその他がどの程度になり、投資対象となり得るのかについて考察を加えてみましょう。

ヴィンテージ・マンションの賃借人のペルソナ

ヴィンテージ・マンションの住人のペルソナ(具体的なユーザー像)は色々考えられますが、一般的には「高所得」「流行に敏感」「時間を無駄にしたくないため職住接近を強く求める」「プライバシーやセキュリティーの厳重さを求める」などが挙げられます。

賃貸人である投資家からすると、ヴィンテージ・マンションを購入することは高額な投資となりますので、賃借人が何を求めているのかの事前調査がとても重要となります。

今回は、あくまで賃貸物件として貸し出すことを前提としますので、賃借人のペルソナを、下記の条件で考えてみます。

「35歳独身男性、大手町の外資系企業に勤務。平日はかなり遅くまで働くので、平日は寝るために帰宅するだけの家で良い。年収は2,000万円超。流行には比較的敏感、ファッションや家具などインテリアにも興味があり、休日は、スポーツジムに通う。たまには自分で料理もするが、大きなスーパーマーケットなどは必要なく、ある程度の日用品を手近で揃えられれば十分」

東京ツインパークスの例

このペルソナに合いそうな物件として、候補に上がるのが、都営大江戸線 ゆりかもめ汐留駅から徒歩3分、JR山手線新橋駅から徒歩10分に立つ、東京ツインパークスです。2002年9月竣工、レフトウィング、ライトウィングの2つからなる高層マンションで、海側に面した部屋からは、レインボーブリッジや、浜離宮が眼下に見渡せる物件です。汐留にありながら港区アドレスであり、内装は高級ホテルを連想させ、入り口から左右のそれぞれのタワーに分かれる共用部分は、まさにホテルライクな物件です。

しかし、このようなペルソナの賃借人に対しては、100㎡といった大きな部屋は現実的ではなく、賃貸向き部屋の大きさは40~50㎡程度が適当だと考えます。

これを前提に部屋を見ていきましょう。

売却事例 平成30年6月30日
4F 54.21㎡ 売却価格 7,180万円 坪単価 437.9万円 でした。

この部屋そのものの賃料ではありませんが、同じ程度の大きさの部屋が、現在約25万円で賃貸されています。

これを表面利回りで単純計算しますと、

25万円×12ヶ月÷7,180万円=4.18%

となります。この物件を5,000万円の30年ローン2%を組んで購入した場合、毎月の支払いが、約18.5万円。これに管理費・租税公課などが毎月2.5万円とすると、年間支出額が21万円×12ヵ月=252万円。

これをもとに実質利回りを計算しますと、

(300万円-252万円)÷7,180万円=0.7% となります。

ここで、考えなくてはいけないことが、ローンを活用したことによるレバレッジ効果です。家賃収入300万円からローンの支払いと管理費・租税公課の252万円を引いた48万円を得るために投資した自己資金2,180万円に対する利回りは2.2%となります。

都心の一等地にある、価値が落ちにくい(値上がりも期待できる)ヴィンテージマンションを2,180万円で購入し、毎年48万円を受け取りながら、資産形成できる投資と考えることもできます。

また、ここでもう一つ考慮しなければいけないのが、キャピタル・ゲインです。購入価格より売却価格が高ければ、その差額が売却益になります。保有期間が5年以上ですと(期間計算は特殊な計算式)、売却益に約20%の所得税・住民税がかかり、売却益の手残りが約80%となります。もし500万円の売却益が出たら、400万円の手残り(さらにそこから売却にかかる仲介手数料などが差し引かれる)となります。

不動産価格は政策や株価、融資情勢などを含む、多くの経済状況と複雑に関係します。将来、所有物件がいくらで売却できるか、正確に予測することはできませんが、ヴィンテージ・マンションを不動産投資物件として考える際は、キャピタル・ゲインが狙える投資対象ということになります。

特に都心のマンションであれば、中古マンションの不動産価格は、立地次第では上昇する余地はあるのではないでしょうか。今後、日本は人口が減少していきます。人口が減少する時は全国一律に減少するのではなく、主に地方での人口が減少していきます。地方での人口が減少すれば、仕事が集中している都心部にますます人は集まってくるでしょう。東京都心では土地はすでに開発され尽くされています。建替えにより、「縦」に高くなることがあったとしても、土地が増えることはありません。ヴィンテージマンションと呼ばれるマンションに投資することは、今後、ますます「希少性」が高まる可能性が高い、資産に投資することを意味するのではないでしょうか。

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