2019.4.22
資産運用

最近話題の「レンタルスペース運営」は「マンション経営」よりも魅力的か

(画像=UfaBizPhoto / Shutterstock.com)
(画像=UfaBizPhoto / Shutterstock.com)
スペースマーケットやスペイシーなど、空いている空間を手軽に貸し借りできるWebプラットフォームが注目されています。中には、ワンルームマンションを貸し会議室やイベントスペースとして運用する方もいます。メリット、デメリットを整理してみましょう。

右肩上がりのシェアリングエコノミー市場

空間以外の乗り物・スペース・モノなどを共有する「シェアリングエコノミー市場」も急拡大しています。国内のシェアリングエコノミー市場は、2016年段階で500億円台でしたが、2020年には1,000億円を突破すると見込まれています(矢野経済研究所の予測)。このシェアリングエコノミー市場の一角を占める、民泊・レンタルスペース・駐車場などの「空間シェアサービス」も堅調に世の中に浸透しつつあります。

ビジネスマンがレンタルスペースを会議室・商談・コワーキングスペースなどに利用するシーンも増えてきました。

レンタルスペースで運用したときの3大メリット

このような市場の変化に伴い、ワンルームマンションを「レンタルスペースとして利用できないか?」と考える方も増えています。少し前だと、ワンルームマンションの民泊転用も注目されましたが、法的な制約やマンションの利用規約がクリアできずに断念するケースも目立ちました。レンタルスペースなら民泊ほどのハードルがなくチャレンジしやすいと考える方もいるようです。

ワンルームマンションをレンタルスペースで運用したときの3大メリットは次の通りです。(※スペイシーの場合)

・メリット1 運営の固定費がかからない
サイト掲載費などの固定費がかかりません。売上発生時のみ手数料を支払えばよい仕組みです。

・メリット2 未回収金のトラブルがない
レンタルスペース利用者の支払いは、Webプラットフォームのシステム上で行われます。後日、手数料を差し引いた金額がスペース提供者の口座に振り込まれます。

・メリット3 高い利回りが得られる(?)
大手プラットフォームの成功事例では、代々木駅から徒歩7分のワンルームマンションを賃貸しレンタルスペースを運営した場合の年間売上は約186万円と紹介されています。ここから諸経費を差し引くと年間で10万6,000円の利益が出せたとのことでした。(物件を賃貸して運用したケース)上記の「メリット3」に注目した方は多いでしょう。

上記の例では初期費用として敷金、礼金、什器設備費用が初月に計上されており、単月では3か月目から黒字転換し、9か月目から初期費用を含むトータルでの収支が黒字転換しています。気になる毎月の費用は家賃と売上の25%のシステム使用料が主な項目となります。

これくらいの利益を残せたのは素晴らしいと捉えることもできますし、代々木駅前の好立地でこれくらいの利益なら厳しいと見ることもできます。

ワンルームマンション投資同様、不動産を対象とした運用ですが、レンタルスペース貸しは初期費用回収までの期間が短いこと、いざというときの撤退のしやすさなどが大きなメリットといえるでしょう。

レンタルスペースに転用したときのデメリット

一方、ワンルームマンションのレンタルスペース運用にはデメリットもあります。主なところでは次の3つに集約されます。

・デメリット1   立地を選ぶ
ビジネスマンのニーズがかなりある立地でないと、貸し会議室やコワーキングスペースでまとまった売上は期待できません。

・デメリット2  短時間ごとの利用なので管理に手間がかかる
利用者の快適性を考えれば、利用者入れ替えごと、あるいは、1日ごとなどに清掃を行う必要はあるでしょう。

・デメリット3  売上が安定しない
短時間ごとの貸し出しだとデットタイムが発生しやすいため、売上に波が出やすいです。あわせて、ニーズが大きいエリアでも、競合物件の増加によって売上が急落する可能性もあります。

ワンルームマンション投資の場合、購入が前提になります。融資残債が減少すれば、不動産という「資産」が残ります。「資産を形成」するという意味では賃貸でのレンタルスペース運用よりワンルームマンション投資のほうが有利といえるかもしれません。

サラリーマンや多忙な方には不動産投資が向いている

このようにそれぞれメリットとデメリットがあります。「レンタルスペースで運用した方が利回りがよい、初期費用の回収期間が短い、利益を上げやすい」という側面がありますが、資産を形成するとの側面からは購入を前提にするワンルームマンション投資の方がメリットがあります。

シェアリングエコノミーの市場は今後、ますます拡大することが見込まれます。また、不動産の活用方法も今後、ますます選択肢が増えていくことでしょう。保有している物件にレンタルスペースなどの時間貸しでの需要があるなら、一度はチャレンジしてみるのもよいかもしれません。


本間 貴志
自身でも賃貸経営を手がける不動産・税務ライター。
ビジネス書籍専門の編集会社勤務を経てフリーランス。

 

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