2019.4.4
資産運用

投資を実践する上での基本知識 (シリーズ)金融資産の使用目的と預け先

(写真=fizkes/Shutterstock.com)
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
野村総合研究所(以下、野村総研)が2018年12月18日に発表した資料で、2017年の日本の富裕層が持つ金融資産の現況が明らかになりました。今回はその詳細を読み解きながら、これからの金融資産の使用目的と預け先を考えてみようと思います。

金融資産保有層の現状

以下は、野村総研発表の純金融資産保有額の階層別に見た世帯数(2017年)です。
 

前回の調査(2015年)と比較すると、各層とも確実に増加しています。

1億円以上の富裕層、超富裕層の合計は2015年は約121万世帯でしたが、今回は126万世帯と4%増えています。2013年以降の株価上昇と景気拡大が、各層の世帯数上昇を支える要因となっています。

特に金融資産の価値の上昇、超富裕層や富裕層の父母・祖父母からの相続や生前贈与、IPOや事業の売却によって大きく資産を増やした人が準富裕層から富裕層へ移行し、富裕層の拡大に寄与していると思われます。

これだけの資産を普通預金や定期預金だけに預けているとしたら、非常にもったいない話です。特に運用資金が豊富にある人こそ、ある程度のリスクを取った運用をしたいものです。

次に、保有資産をどの金融商品に預けているかを表したのが、以下の表です。
 

この表から読み取れることは、お金の預け先としてはいまだに預貯金が中心ということです。次に生命保険や有価証券が出てきますが、2018年は2016年と比べて預貯金の比率が下がり、その分他の金融商品に移動していることがわかります。これは、株価上昇など投資環境が比較的良好だったことが要因でしょう。

資産配分の考え方

運用を考えるうえで、まず押さえておきたいことは「お金を使う時期と目的をはっきりさせる」ことです。ただやみくもに貯めるのではなく、「何年後に、何の目的でいくら必要だから毎月いくらずつ貯める」というように具体的に目標を可視化すると、途中で挫折することなく継続することができます。

以下のグラフは、保有する金融資産を3つに分ける一例を示したものです。流動性資金とは、生活資金や交際費、急な病気やけがに備えるためのお金です。預け先としては、普通預金や証券会社のMRFなどがいいでしょう。

数年以内に使う予定のあるもの、たとえば住宅購入のための頭金や子供の教育資金などは、安全性を重視した商品、たとえば定期預金や個人向け国債などを中心に考えていきましょう。

すぐに使う予定のないお金は、iDeCoやNISA、つみたてNISAなどの税制メリットがある商品の枠を目いっぱい使い、さらに余裕があれば、投資信託や株式、近年ではロボアドバイザーを使った海外ETFなどの金融商品に投資するのが望ましいです。

年代別ポートフォリオの考え方

ポートフォリオとは、資産をどの商品にいくら配分するかを決めることです。投資の基本は「一つの籠に卵を盛るな」です。この例えは、集中投資の危険性とリスク分散の重要性を説いたものです。

20~40代は、これから徐々に資産を増やしていく資産形成層と呼ばれます。若ければ若いほど、リスクを取りつつ、時間を味方につけて、複利効果を使いながら資産形成をしていくことが大切です。積立を行う際は、あえて値動きの大きい株式を毎月一定額ずつ積み立てる「ドルコスト平均法」を使う方法もお勧めです。

50~60代は、ある程度まとまったお金を準備できる資産保有層です。住宅ローンや教育費、介護問題などに悩む世代でもありますが、余裕資金を普通預金や定期預金だけに入れておくのは、この低金利時代ではとてももったいないですし、将来のインフレにも対応できません。

投資で利益を生み出すためには、「お金に働いてもらう」意識が大切です。また、老後資金を計画的に準備することが重要であることは、言うまでもありません。

>>【無料eBook】「不動産投資スタートアップ」バイブル

【オススメ記事】
資産運用で結果を出したいなら、本業の労働に集中すべき理由とは
日本人の平均的な生涯所得、生涯支出と資産運用が重要な理由
公務員こそ資産運用を積極的にするべき理由
老後の住まいの選択肢、リバースモーゲージの現状
何から投資を始める?株式投資と投資信託 手間とコストとリターン等を紹介

NEXT 50~60代前半の資産保有層にぴったりな金融資産の増やし方
PREV 20~40代の資産形成層にぴったりな金融資産の増やし方

公式Twitterアカウント