2019.3.15
資産運用

投資を実践する上での基本知識 (シリーズ)マイナス金利時代にどう対応していくか

(写真=katjen/Shutterstock.com)
(写真=katjen/Shutterstock.com)
日銀がマイナス金利政策をはじめたのが2016年2月。その手法は、民間銀行が中央銀行である日銀に準備預金としてお金を預けると、金利を支払わなければならないという過去の金融政策では考えられないものでした。この政策により銀行に対し、民間企業への貸し出しを促進し、市場に供給される「お金」を増やすことで、世の中にお金を回していく、といった金融政策です。

しかし、マイナス金利発動後も、一つの指標である消費者物価指数(CPI)を年率2%以上にする目標は2019年2月時点で達成されていません。

財布代わりの普通預金と定期預金はどこに口座開設するか

2019年2月時点で大手銀行の1年物定期預金に100万円預けても税引き後の利息は80円(年利0.01%)しかつかないといった状況が常態化しています。特に地銀では預金の貸出先が見当たらず、運用難に陥り、比較的リスクの高い外債投資などに活路を見出そうとしています。このような環境のもと、個人の資産運用もマイナス金利が継続する想定で考えていくことが必要です。

例えば、3大メガバンクの1年物定期預金金利は、ゆうちょ銀行も含めてすべて0.01%と横並びです(2019年2月現在)。しかし、ネット系銀行に預けることでその金利は跳ね上がります。例えば、預ける金額によっても異なりますが、100万円を1年物定期預金に預けた場合、オリックス銀行は0.2%、じぶん銀行が0.15%(キャンペーン金利)など、メガバンクと比較して高金利です。

また、イオン銀行の普通預金ですと最大で0.12%(プラチナステージ)と定期預金に匹敵する高さになります。仮に100万円を1年間預けた場合、税引き後で960円と12倍の差になるのです。資産運用と大上段に構えることなく、お財布代わりに使っている銀行口座を見直すことで、少しでも有利な口座に見直しすることからはじめてみるのもおすすめです。

経済成長率からみた投資先の選定

次に、もう少し積極的な投資を行うケースを考えてみましょう。投資の基本は、「長期」「分散」「積立」です。この原則に沿って投資を行うことが王道になります。日本人の特性として、低い金利でも元本を割りたくないといった絶対的な安全性を求めるか、仮想通貨やFXのように、イチかバチかに賭ける投機に走るかの両極端になる傾向があります。

しかし、地道に長い期間コツコツと続けていくことこそ、投資の本来の姿といえます。本来、日本人のメンタリティーに、この感覚はフィットするのではないかと思いますが、なかなか浸透していきません。では、投資の原則に沿った考え方の下、投資対象は具体的にはどのように選択すべきなのでしょうか。
まず、大前提はリスクを考えた上で経済成長の高い地域や国へ投資をすることです。
 
この表は、国際通貨基金(IMF)が2019年1月に発表した、世界経済成長を一覧にしたものです。世界全体の2019年の伸び率は3.5%、2020年は3.6%を予想しています。一方、日本は2019年1.1%、2020年0.5%とBreExitで揺れる英国より小さい経済成長率です。さらに、新興国、発展途上国では2019年4.5%、2020年は4.9%と高い伸びが予想されています。

これらを考えると、日本の経済成長率だけにベットして、投資をすることがいかに非効率なのか理解できるのではないでしょうか。日本経済は、もはや貿易立国ではなく円高時代に工場を建てた海外の生産拠点からお金を送金してもらう、いわゆる「仕送り立国」となっています。このように日本経済の現況を冷静に分析した上で、投資先を考えることが重要なのです。

具体的な投資方法

今は、個人でも海外主体の金融商品に簡単にアクセスできる時代になりました。その代表格が海外ETFです。ETFとは、Exchange Traded Fundの略で上場投資信託とも呼ばれています。特にアメリカでは2018年11月時点で1,982本以上のETFが上場され、株式、債券、通貨、コモディティ、不動産、金などに連動するETFもあります。したがって、これを購入することで日本だけでなく全世界の商品へアプローチすることが可能となりました。

購入方法は、ネット証券を口座開設し、そこから購入する方法。また、最近ではロボアドバイザーが一任勘定を使い、お金を預けることで、すべて自動で最適なポートフォリオを組むことができる商品も出てきています。以前と比較すると驚くほど簡単に世界の金融マーケットにアクセスすることができる時代となりました。このアドバンテージを有効活用して、広く分散投資をはじめてみてはいかがでしょうか。


中村 伸一 (株)マネーデザイン代表取締役

学習院大学卒業後、外資系会計事務所、銀行、証券会社を経て、2014年FP会社である株式会社マネーデザインを立ち上げ、代表取締役に就任。
日本人のマネーリテラシーを上げることが、ひいては日本経済の向上につながるという信念のもと、Web上でのお金に関する情報発信や講演活動を行う。またFPとして、ライフプランをベースにした、中小企業、個人のお客様の住宅購入、各種生命保険加入、資産運用、相続・事業承継などのご相談を承っている。

保有資格
ファイナンシャルプランナー(AFP)、宅地建物取引士、証券外務員1種、生命保険シニアライフコンサルタント、変額保険販売資格、海外ロングステイアドバイザー、日商簿記検定2級

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