2019.2.22
資産運用

リタイアメント・ステージで直面する3つのリスクとは

(写真=Ahmet Misirligul/Shutterstock.com)
(写真=Ahmet Misirligul/Shutterstock.com)
リタイアメント・マネジメントという言葉をお聞きになったことはありますか?ビジネスマンが定年を迎え、その後の生活を豊かに過ごすための資産運用の考え方を指します。現役時代と大きく異なる点は、一般的には支出が収入を上回るということ、その結果、今まで蓄えてきた資産を取り崩していくステージに入るということです。

よほどの資産家でない限り、手元のお金を取り崩すことなくリタイアメント・ライフを楽しむことは難しいでしょう。そこで、どうしても考えに入れなければならないことは「キャッシュアウト『資産が0になる時点』をいかに先延ばしするか」という点です。それにはリタイアメント・ステージに合わせた資産運用が不可欠となります。

年齢を重ねれば重ねるほど、考え方が保守的になり、行動自体もおのずと制限されるかもしれません。しかし、それでもリスクを取って資産運用を検討する必要はあります。資産運用をやらないこと自体がリスクと考えるべきです。もし、世の中がデフレであれば現金で持つことが最も有利であることは間違いないでしょう。

しかし、人手不足による人件費高騰や製造コストの上昇、さらに2019年10月には消費税アップが待ち構えています。これらの状況を踏まえると、リタイアメント後の資産運用も必須だといえるでしょう。また、日本では少子高齢化が急速に進み、公的年金が今までのように機能するかも不安要素の一つです。今後、ますます自助努力によって、老後資金を運用することが求められます。

リタイアメント・ステージで直面する3つのリスク

リタイアメント・ステージで資産運用を始める際、対処しなくてはならないリスクが3つあります。以下にそのリスクを見ていきましょう。

①年金制度のリスク
年金制度は2004年に大きな年金改革が行われ、当時の自民党政権は100年安心年金と宣伝していました。このときにはマクロスライド(経済状況に応じて年金支給額も増減される)などが導入され、その後5年に一度行われる制度の見直しが2009年に行われました。そこでは、将来の所得代替率(現役時代の収入に対する年金の比率)の大幅な低下が指摘されていました。

しかも、そのときの人口推計の根拠となった予想値は2006年のものであり、その後の日本人の平均寿命は著しく伸びています。いずれにしろ公的年金制度を維持するためには支給開始年齢の繰り下げや社会保障充実のための増税は避けられないというのが、専門家の一致した意見です 。

②インフレリスク
バブル崩壊後のデフレ時代に長く生きた方々には想像できないでしょうが、日本にも厳しいインフレの時代がありました。1970年代前半のオイルショックに端を発し、1973年から10年間、日本は厳しいインフレに見舞われたのです。当時から35年経過した2019年10月からの消費税増税、人手不足による人件費の高騰、製造原価の高騰などにより物の値段は少しずつ上昇基調にあるといえるでしょう。

また、安倍政権は2019年1月時点でいまだ2%の消費者物価指数の上昇を経済活性化の目標としており、日銀による金融政策もその目標を達成するために 側面援護を続けています。インフレとは一言で言うと物の値段が上がることです。一方で、通貨の価値が下がり購買力が低下をするということに他なりません。

今まで1,000円で買える物が1,100円出さないと買えなくなってしまうのです。すなわち、お金の価値がいつのまにか減ってしまうことを意味します。インフレに最も弱い人たちは、リタイアメント・ステージにある世代の人々です。給与所得を得る現役世代は、一般的に給与がインフレに連動するため、インフレが起こっても、ある程度生活レベルは維持できます。

しかし、所得がほとんどないリタイアメント層は保有している資産が減ってしまうだけです。そのため、インフレによる目減りを資産運用でカバーする必要があります。

③長寿リスク
長寿には光と影が存在します。影の部分は、「いつまで健康で暮らせるか」「生活するための資金が尽きることはないか」といったことです。 今後、日本人の平均寿命はますます延びることが予想されています。平均寿命が延びることで、生活資金も今まで以上に必要となります。事前に準備をいかにしていくか、若いころには想像できなかった現実が突き付けられるかもしれません。

生活費に加え、医療費や高齢者施設への入居など思いもよらない費用がかかる可能性もあります。しかし、今からでも遅くありません。できることを素早く準備し、少しでもキャッシュアウトの時期を延ばす手段を考えていましょう。もちろん、日本にはしっかりとした公的年金制度があります。しかし、問題は日本の高齢化が急激に進むということです。

同時に若年層の数が急激に減少するため、「高齢者を支える人数が減ってくる」という現実に直面します。以上、リタイアメント・ステージの3つのリスクを明確にしましたが、そのリスクを少しでも避けるためには資産運用が必要です。若いうちからiDeCoなどの制度を使って、老後資金を効率良く準備を始めるのが最も賢明な方法の一つなのではないでしょうか。
 

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